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- ブラック企業で働いている人
- ブラック企業で働いたことがある人
- ブラック企業の撲滅を願っている人
ブラック企業が無くならないのは4つの根本的な問題があるから
長時間労働、パワハラ、セクハラ、モラハラ、残業代の未払いなどなど、様々な問題を抱えた企業、いわゆるブラック企業です。
最近では、働き方改革やハローワークによるブラック企業の締め出し、SNSでのブラック企業の投稿と、ブラック企業に対する風当たりは強くなってきました。
しかしそれにも関わらず、ブラック企業が無くなる気配はありません。
ブラック企業を批判・非難する声は日増しに強くなっているのに、なぜブラック企業は無くならないのでしょうか?
それは、社会に蔓延る4つの根本的な問題が原因となっているのだと思うのです。
その4つの根本的な問題というのがこちらです。
労働者が反発しない
消費者の求める基準が高すぎる
キツすぎる解雇規制
新卒礼賛の風土
これらの問題があるがゆえに、いつまで経ってもブラック企業が無くなることがないのです。
労働者が反発しない
ブラック企業で働いている労働者(達)自身が声を上げないことが、ブラック企業が無くならない理由の一つです。
労働者からの反発がないのを良いことに、企業改善を図ることをしません。
例えば、ブラック企業に異を唱えてストライキを起こしたり、もしくはあまりに劣悪な状況であれば集団訴訟を起こすようなことをすればブラック企業は改善を図らざるを得ません。
しかし、最近は労働組合を持つ企業が少なくなっていることで、ストライキや集団訴訟を起こすに至らないという事情があります。
また、そもそも人は変化を嫌う生き物です。
そのため、ブラック企業という劣悪な環境で働いていたとしても、状況が劇的に変化することを嫌い(それが良い変化だとしても)、「ちょっと我慢すれば慣れるだろう」と現状に甘んじてしまうのです。
つまり、被害を被る労働者(達)が自ら声を上げることがないことが、ブラック企業がのさばるのに一役買ってしまっているということです。
こういう組織はブラック企業になる可能性が高いと言えます。
消費者の求める基準が高すぎる
消費者が商品やサービスに対して求める基準が高いことも、ブラック企業が無くならない理由の一つではないでしょうか。
どうしてもサービスや商品を利用/購入する消費者と、サービスや商品を提供する生産者が対峙した際、対価を払う消費者側のパワーが強くなるのが一般的であり、現状このパワーバランスが過剰に消費者側に寄っているのです。
そのため、消費者は生産者に対して過剰な要求をすることにつながってしまい、一方で”消費者の希望にできる限り応えることが、生産者=労働者の勤め”だということを過剰に強いられる状況に陥っているのだと考えられます。
特に日本においては、商品やサービスが安価にも関わらず品質が良いことが称賛されますが、それは労働者が(長時間労働や低賃金によって)過剰に答えようとした結果、高品質を保っていられるのだと言えます。
つまり、消費者が商品やサービスに対して高い基準を要求することが、企業をブラック企業化させてしまうという構造を作っているのです。
求める水準が高すぎるお客さんにクレームをもらったことってありませんか?
厳すぎる解雇規制
解雇規制が厳しすぎることも、ブラック企業がなくならない理由の一つだと思うのです。
企業運営をしてくにあたって、経済状況や規制強化/緩和、競合の参入などと多くの理由によって、経営不振や事業縮小といったことが起こります。
そうした際、企業はコスト削減に努めて企業存続に努めなければならないのですが、解雇規制が厳しすぎるがゆえに最もコスト割合の多い人件費の削減を行うことができないのです。
※使用者側の事情による人員削減のための整理解雇にあたっては、人員整理の必要性、解雇会費努力義務の履行、解雇者選定の合理性、解雇手続きの妥当性の全てが満たされていないと解雇することはできません。
詳しくはこちらをご参照ください。
そのため、企業は解雇する代わりに、労働者に普段以上の労働を強いることになるのです。
(そうしないと収益が減り、倒産する可能性が高まるため、無理強いしても稼がせるしかないのです。)
つまり、企業は解雇することが難しいことと引き換えに、労働者に過剰な労働や要求をすることにつながってしまうのです。
日本は本当に解雇するのが難しく、仕事をバックるなどしない限り解雇になることはまずありません。
新卒礼賛の風土
採用において新卒至上主義であることも、ブラック企業が無くならない理由の一つだと考えています。
新卒入社した者は社会の常識がまだ備わっていないため、使用者である企業側の言いなりになりやすいと言えます。
またこのことに通じて、能力は同じであっても”社歴の少ない人”の方が優遇される傾向があり、特に日本人の新しい物好きマインドがこれに作用しているのではないかと疑ってしまうほどです。
つまり、「社歴が多い=市場価値が低い」という考えが蔓延しているため、人材の流動性が低くなってしまうのです。
これにより、既に複数社歴がある人は転職が難しくなるためにブラック企業だとしても居続けるしかなくなり、ブラック企業に良いように使われてしまう状況に至ってしまうのです。
このような社会構図が原因で、ブラック企業であっても無くせないという状況が存在しているのではないかと思うのです。
新卒を讃え奉って採用する割に、新卒の定着率はそこまで高くありません。
ブラック企業を無くすとしたら…
ここまで、ブラック企業が無くならない理由について話してきました。
ただ、もしブラック企業を無くすとしたら、どんなことが必要だと思いますか?
極論ではありますが、先ほど挙げた4つの根本的な問題を全て解消することが必要だと考えます。
なぜなら、それら4つの問題は一つ一つがつながっているため、どれか一つ二つ解消しただけではあまり意味がないからです。
例えば、「労働者が反発する」ようになれば、企業は事業運営のために労働力=労働者を確保する必要に迫られ、労働者の要望に応える必要性が一段と増すようになります。
それにより、労働者はより強く企業と交渉する権利を有することにつながるでしょう。
例えば、「消費者の求める基準が低く」なれば、商品やサービスを提供する労働者は過剰に消費者に応える必要がなくなるため、長時間労働や低賃金から解放されるようになります。
また、「労働者が反発する」ようになれば、ストライキを起こすことで商品やサービスの提供を停止することにつながるため、消費者に対して過剰な要求の取り下げを呼びかけることも可能になります。
例えば、「解雇規制が緩和」されれば、企業は経営や事業運営がしやすくないます。
それにより、解雇を免れた労働者に対する要求も多少は緩和されると考えられます。
ただし、解雇規制が緩和されるだけでは不十分で、「採用基準の緩和」も併せて必要になります。
なぜなら、解雇規制が緩和されれば人材は流出しやすくなりますが、それらの労働者を雇用する先が無ければ路頭に迷う労働者が増えてしまうからです。
それを防ぎ人材の流動性を高めるためにも、過剰に新卒を優先したり、必要以上に社歴の多少で判断することが少なくなることが必要です。
つまり、「解雇規制の緩和」と「採用基準の緩和」は併せて行わなければならないということです。
改めて、もしブラック企業を無くすとしたら、現状社会が抱えるこれらの問題を全て解決する必要があるということなのです。
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企業が変わる前に個人が変わらないといけない
ブラック企業を無くすには、企業が変わる前に個人が変わらなければいけません。
もちろん、劣悪な職場環境やハラスメントを強いる企業に否があることは間違いありません。
しかしここで話したように、労働者が一致団結して声を上げる、他人に寛容になる、自身の価値観を見直すなど、個々人が変わる努力をしない限りはブラック企業化する企業は無くならないでしょう。
とても難しいことではありますが、多くの個人が変わることができれば、ブラック企業というものが生まれることはなくなるはずです。
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