












この記事を読んでほしい人
- クレームをもらって落ち込んでいる人
- クレームが怖くて仕事に積極的になれない人
- これまでに一度もクレームをもらったことがない人
クレーム体験が胆力を養う理由
冒頭で伝えたように、クレーム体験をすることで”胆力”が養われます。
そしてこの胆力が養われることで、些細なことにビビったり物怖じしたりせず、仕事においても良い意味でリスクを取れる体質へと変貌できるようになります。
では、なぜクレーム体験が胆力を養うのでしょうか?
謙虚であることは、クレームを避けるだけではなく…。
胆力の基となる3つの予測力
クレームを体験することで3つの”予測力”を手に入れることができるため、胆力がつくのです。
それがこちらの3つです。
怒りの沸点が予測できる
怒る理由を予測できる
怒られた結果を予測できる
この予測力があるか否かで、その人の胆力が大きく変わると言っても過言ではありません。
それでは、その3つの予測力について説明していきます。
クレームをもらった時は逃げたくなりますよね。
人の怒りの沸点が予測できる
クレームを体験することで、人の怒るポイント(沸点)を知ることができます。
人の怒りの沸点が予測できることは、どこまで攻めの姿勢で仕事ができるのかが分かるようになることと同じです。
(怒りやすい人もいれば怒りにくい人もいるので一概には言えませんが、あまり怒らない人が怒った場合、自分の行いがよっぽど良くなかったという戒めになります)
「こんな提案したら怒られるかな?」とか、「こんなアプローチの仕方は反感を買うかな?」のように悩む人もいるかと思います。
しかし他人の怒りの沸点が予測できるようになると、それは単なる思い過ごしだったと実感できるようになるわけです。
つまり、人の怒りの沸点が予測できることは、自分に設けている制約から解放されることにつながるのです。
EQが高い人は、人の怒りの沸点を察知する能力も高いのです。
怒る理由を予測できる
クレームを体験することで、人が怒る理由を知ることができます。
人が怒る理由は真っ当な怒りがある一方で、「それは不義理だろ!」とか「私は聞いてない!」というように、人によっては「それで怒るの?」といったようなものまで様々です。
そして怒りの理由を自分の中にストックしておけば、どんなクレームが来たとしても、その対処法を心得ることにつながります。
もちろん、100%自分に非があるクレームに対しては真摯に謝罪するだけですが、単なる難癖や道理に適っていないクレームに対しては自分の意見や考えを主張しなければなりません。
このように人が怒る理由を予測できることで、反論力が培われるのです。
上司対策をしている人ほど、上司が怒る理由をわきまえています。
怒られた結果を予測できる
クレームを体験することで、怒られた後の状況を知ることができます。
酷いクレームをもらったとしても案外何も変わらないものですが、多くの人は(自分は同僚や上司から白い目で見られて会社に居場所がないというように)この世の終わりだと感じてしまいます。
しかしそれは仕方のないことで、人は結末が見えないものに恐怖を感じるからです。
だからこそクレームを体験することで、結果”何も変わらなかった”と実感することが大事なのです。
怒られた結果を予測できることで、実際にクレームのリスクや実際にクレームがあったとしても、冷静でいられるようになります。
クレームをもらっても嘆く必要はありません。もっとヒドイ体験をしている人が他にもたくさんいます。
僕の胆力が養われたクレームについて
僕もこれまで12年ほど社会人としてやってくる中で、大きいものから小さいものまでいくつもクレームを体験してきました。
しかし僕自身、これらのクレームを通じて自分の胆力UPにつながったと思っています。
そしてここでは実体験として、かなり参ったものの胆力UPにつながったクレームについて紹介していこうと思います。
一方で、よくクレームをつけてしまうという人はいませんか?
新卒初期のクレーム
こちらが、新卒時にクレームをもらった僕の体験談になります。
当時、僕は求人広告の営業をしていたのですが、受注した会社の求人原稿を作成する中で、原稿案をクライアントから了承してもらえない状況に直面していました。
クライアントと一向に連絡が取れず、かつその号の掲載締め切り期限が当日12時に迫っていまいたが、急遽10時の時点で修正依頼が入ったのです。
(12時までに原稿の承認をもらえないと、その号には掲載できないのです)
しかし僕が外出していたこともあり、結果締め切り期限を過ぎてしまったのです。
(原則として締め切りを過ぎた原稿は翌号への掲載となり、特例で掲載する場合には上司のさらに上の事業部長からの決済が必要なのです)
そのことでクライアントからはクレームが入り、
「どうにかしてその号の掲載しろ!」とのことでした。
そこで、クライアントへ原稿案の最終確認を直接取るために上司と先方へ伺ったところ、なぜか門前払いで担当者と顔すら合わせることができず、こちらとしてもどうしていいか分かりませんでした。
加えて電話にも出てくれなくなり、こちらとしても途方にくれる羽目になったのです。
(ちなみにクライアントからの了承なく原稿を掲載することはできないのです)
僕はなぜ電話にも出ず、顔すら合わせてくれないのか全く分からず、上司や関係部署にも多大な迷惑も掛け、恥ずかしいやら悔しいやらで涙したのを覚えています。
上司も僕もどうしたらいいのかも分からず、ただ時間が経過していった矢先、突如FAXで修正案が会社に届いたのです。
そこで、それを基に原稿を修正して先方にFAXたところ、幸いにも「これで掲載してください」とFAXにて返信が来たのです。
その後、改めて電話したものの結局担当者が電話に出ることはありませんでした。
(一応なんとか掲載は完了しました)
社会人になったばかりでこのようなクレームをもらってしまいましたが、一方で幼心ながら「大クレームをもらってもなんとかなる(誰かが助けてくれる)」と思った記憶があります。
クレームを恐れてミスは隠さない方が良いものです。後々めんどうなことになります。
不動産屋からのクレーム
引き続き求人広告の営業をする中で、僕の会社の求人サイトに掲載したもののまったく応募がない不動産会社からクレームをもらいました。
当初電話で「ちょっと話したいことがあるので、来てもらえますか?」だけだったのですが、何となくイヤな予感はしていました。
しかし伺わないわけにはいかないので、クライアントの下へ訪ねたところ、かなりガラの悪い人(色黒で短髪でガタイの良い30代くらいの男性)が出てきたのです。
僕としては「これはいよいよヤバイなぁ」と思いながらその人と相対しました。
すると予想通り「まったく応募がない状況」に対してのお怒りでした。
「高い金を払ったのにこれはどういうことだ!」
「無料で再度掲載できないのか!」
「あんた、なめてんのか!!」
このような言葉を矢継ぎ早に吹きかけられたのです。
もちろん、効果が上がらなかったことに対しては謝罪をしたものの、おそらくクライアントとしては”何かしらのサービスもしくは返金”を求めているようでした。
それでも会社のルールとして、効果の有無にかかわらず”無料での追加サービス”や”掲載済みの者に対する返金対応”は行えなかったため、それを伝えるしか術がありませんでした。
しかしそれは火に油を注ぐ形となり、余計に罵倒されるに至ったのです。
今となれば、「上司に掛け合ってみます」とでも伝えて、一旦やりすごすべきだったと思いますが、当時はテンパってしまいバカ正直に会社のルールを伝えてしまったのです。
(そりゃあクライアントも怒ります)
そして散々ののしられること約2時間、ようやく解放されたのです。
(結果、無料での原稿修正をすることで怒りを鎮めてもらいました)
このように一見ヤ〇ザのような人から罵倒され、「殴られたり監禁されたりするんじゃないか?」と恐怖を抱いた経験は、少なからずクレームに対しての耐性がついたと思います。
胆力が養われるシーンとしては、退職交渉も当てはまります。
地元企業からのクレーム
地元に戻った際に、地元企業からクレームをもらいました。
当時僕は人材紹介サービスを扱っていたのですが、紹介して入社した人がすぐに辞めてしまったのです。
こういうことはたまにあることなのですが、その企業の言い分としては「うちにちゃんと合う人材だったのか?」と、僕の人材選定の精度に異議を唱えた上でのクレームだったのです。
(ちなみに入社して1週間という超短期間での退職のため請求はせず)
そしてこのクレームが大変だったのが、謝罪にいくも許してもらえず、2回目は上司と伺うも許してもらえず、3回目でようやく許しを得れたことです。
1回目の謝罪では「上を連れてこないとは無礼だ」で始まり、2回目は上司と伺うものの「改善案を書いて出直して来い」、そして3回目は許してもらえたものの「今回の件は水に流すから次回は無料にしろ」ということでした。
相当ネチネチとやられ、その上いつまで謝罪に出向かなければいけないのかという先が見えない状況にかなり疲弊したのを覚えています。
(その上、ちょうどゴールデンウィークを挟んでの出来事だったため、休み中も休んだ心地がしないで過ごした記憶があります)
あくまで推測ですが、担当者が人事部の人で、自分が採用した人がすぐに辞めたことでその人の”面子”に傷がついたことも、怒りを増幅させる要因だったのではないかと今では思います。
このようにクレーム対応が何度も続いたことで、先が見えないストレスと上司に迷惑を掛けてしまった申し訳なさを感じたのはあるものの、一方で人の怒りには終着点があることも実感したのです。
このようなクレームをもらった時ほど「自分は何のために働いてるんだろう?」と思いますよね。
クレームをもらわず胆力を養うには?
とはいえ、クレームをもらうのはイヤなものです。
できればクレームをもらわずに、クレームに対処できる胆力が欲しいですよね?
実はその方法はあって、それは他の人のクレーム対応に付き合うことです。
どういうことかというと、あなたの同僚や部下がクレームをもらってしまった時に率先してサポートする(一緒に謝罪に行く)のです。
実際、他人のクレームに対しては自分へのクレームと比べると割と冷静でいられるものです。
そのため他人のクレームを体験することでも、先ほど伝えた”3つの予測力”を手に入れることができます。
一方クレームの当事者としては、一人で対応するよりも誰かが一緒に対応してくれた方が心強いものです。
つまりクレーム対応に付き合うことは、クレーム当事者とあなたの双方にとってメリットがあるのです。
ただし軽い気持ちで付き合ったのでは相手の怒りを増幅させる可能性もあるため、しっかり打ち合わせをして(どういう配役で誰が何を話すのかなど)行くことが望ましいでしょう。
過去に僕も同僚のクレームに付き合って謝罪訪問をしたことがあります。
正直、自分がクレームの当事者ではないため、かなり冷静に相手と対峙でき、僕の方が相手と対話して怒りを鎮めることができたものです。
滅多にクレームをもらわない人にとっては、ある意味”胆力を養う機会”だととらえて他人のクレームに付き合ってみてはいかがでしょうか?
クレームをもらってしまうか否かは、失敗の仕方に原因があるかもしれません。
修羅場とは成長機会である
クレームのような修羅場を経験することで、人間力がUPします。
あなたの周りにもいると思いますが、多くの修羅場を経験している人ほど対話力や忍耐力、懐の深さがありませんか?
仕事においてクレームはもっともストレスを感じる状況の一つでしょう。
しかしクレームがもたらすものはストレスだけではなく、成長ももたらしてくれるのです。
胆力の基となる3つの予測力
怒りの沸点が予測できる
怒る理由を予測できる
怒られた結果を予測できる
クレームは成長のチャンスと考えれば、もしクレームをもらっても少しはマシに感じられるのではないでしょうか?
いずれにせよ、クレームをもらうとストレスが溜まりますよね。しかし、ストレスにも良いストレスと悪いストレスがあるって知ってました?
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【解説】「仕事のストレスが限界!」2つのストレスの正体を見極めろ
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