








この記事を読んでほしい人
- 就職/転職の面接を控えている人
- 志望動機が思いつかない人
- 志望動機の答え方に悩んでいる人
企業は志望動機から何を見ているのか?
まず先に言うと、企業側(面接官)も志望動機が本音だとは思っていません。
僕がこれまで企業の採用支援や面接に同席したとき、志望動機を聞いている面接官はいました。
しかし、志望動機の内容で合否を判断していることはほとんどありませんでした。
(よっぽど意味不明だったり、つじつまが合わない場合は別ですが…。)
では志望動機から、いったい何を見ているのでしょうか?
それがこちらです。
本音と建前
論理的思考力
志望動機という質問をフックに、この2つを見ている面接官は少なくありません。
では、この「本音と建前」、「論理的思考力」とはどういうことなのかを説明していきます。
面接で手応えを感じたとしても、あてにしてはいけません。
本音と建前
「本音と建前」についてですが、これは”大人の対応”ができるかどうかを見ています。
仕事においては、本音を押し殺して建前での発言や発信をしなければいけない状況が必ずあります。
そこで、志望動機というシチュエーションにおいて「本音と建前」トークができるかを判断するのです。
特に重役や現場マネージャーが面接官の場合、この点を見られることが多いものです。
先ほども言ったように、面接官は志望動機が本音だとは思っておらず、あくまでこのような大人の対応(受け答え)ができるかを判断しているのです。
「弱みを教えてください」に関しても”建前”で答えることがポイントです。
論理的思考力
「論理的思考力」についてですが、これは”つじつま”を見ています。
「本音と建前」につながりますが、本音を隠して建前で発言・発信しているものの、言っていることが支離滅裂だとすれば、結果的にそのコミュニケーションには×がつきます。
そのため、本音が裏側にある中でつじつまが合う話ができているかという点において、論理的思考力を測っているのです。
また、建前の発言をするとき以外でも論理的思考は仕事において求められますので、いずれにせよ見られるポイントになります。
「何か質問はありますか?」と面接で聞かれますが、質問した方がいいのでしょうか?
志望動機では何を伝えれば良いのか?
結論、「それっぽいこと」でいいのです。
「自分の経験を活かせると思ったから」
「御社のビジョンに共感したから」
「御社の製品が好きだから」
このように、「ポジティブで結果的に会社に貢献できますよ」という前提であれば、理由なんてなんでもいいのです。
実際、入社してから志望動機をぶり返されることなんてありません。
志望動機を聞かれた場合は、「前向きで会社に貢献できる(役に立てる)」ということを踏まえたことを伝えれば問題ありません。
何を伝えてもいいとは言いましたが、給料が高いことや休みが多いこと、残業が少ないことなど、本当の志望動機(本音)を言ってしまうと印象が悪くなるので、あくまで建前の理由を伝えましょう。
恋愛に置き換えれば分かりやすいかと思いますが、誰かから告白された際にこう言われたらどう思いますか?
「あなたはお金をたくさん持っているから付き合いたい」
「あなたのルックスに魅かれたから付き合いたい」
付き合う前だと相手の良い部分があまり分からないこともあります。
しかし、真顔でこのような理由で付き合いたいと告白されたとしたら嫌な気分になるはずです。
企業も同様に、バカ正直に本音で志望動機を答えられてしまうと、相手に対して嫌な気分(採用意欲が減退)になってしまうのです。
面接では自己紹介の内容もどうでもいいですし、経験や実績も不要なのです。
志望動機の回答例
改めて、「本音と建前」と「論理的思考力」を踏まえて志望動機を伝えることが大事です。
しかし、どのような志望動機の伝え方が良いのかいまいち分からないという人もいるかと思います。
そこで、ここではその2つを踏まえた志望動機の回答例を3つ挙げます。
特に志望動機が思いつかなかったり、不純な志望動機しかないという人は参考にしてみてください。
自分の経験を活かせると思ったから(経験の活用)
私は法人営業の経験を活かせると考え、御社を志望いたしました。
私はこれまで〇〇業界で法人営業を5年間勤めてくるなかで、特に新規開拓営業の経験を積んで参りました。
実際、■■という新サービス展開にあたって、一から△△エリアの開拓をし、1年でそのエリアの15%に当たる40社の開拓を達成しました。
そのため私が培った新規開拓力を、御社が展開し始めた●●の拡販にも役立てられると思っております。
まず自分の経験(営業う経験)を伝え、その中でも特に強みとなる要素(新規開拓)を挙げ、それを面接先の企業でも役立てられる(展開を始めた●●の拡販)ということを伝えています。
御社のビジョンへ共感したから(ビジョンへの共感)
私は御社の「個人にスポットライトを」というビジョンに共感し、御社を志望いたしました。
かつては企業に勤める社会人や学校に通う学生といった個々人が大きな注目を浴びるということはありませんでした。
しかし現在はSNSの台頭もあり、個人が大きな注目を浴び、組織に属さずとも活躍できる時代だと言えます。
実際、私もSNSを通じて趣味であるアニメの発信を続けて、少ないながらも50人のフォロワーとつながることができました。
このように、御社のビジョンをさらに世の中で実現することができれば、個人であっても大きなネットワークを築くことができると思っております。
面接先の企業のビジョンが実現されようとしている状況を伝え、自分もその状況によって状況が好転したストーリーことを加えることで、ビジョンへの共感を伝えています。
御社の製品が好きだから(商品・サービスへの共感)
私は昔から御社の「大吉まんじゅう」が好きだという理由から、御社を志望いたしました。
般的なまんじゅうは甘くどっしりしたあんこである一方、、特にさっぱりしたあんこが特徴的だと思います。
そのため、まんじゅう好きな私でも他のまんじゅうだと一度に3つしか食べれないのに対して、「大吉まんじゅう」は一度に6つも食べてしまいます。
それゆえ、私は現職で顧客先に土産を持参する際には、必ず御社の「大吉まんじゅう」にしておりました。
そして今後は御社の「大吉まんじゅう」に直接携わってみたいと思い、改めて御社を志望した次第です。
面接先の商品の特徴を他社のものと比較をし、その特徴を捉えた上で自分がその商品を好きな理由を踏まえ、商品へ関わりたい意思を伝えています。
建前の答えだとしても、ぎこちなさや意味が通じなければ見送られてしまいます。
志望動機を有効活用する
面接において多くの人が悩むこの志望動機ですが、この志望動機をうまく使うことで自分をアピールすることができるのです。
先ほど挙げた例を使って説明すると、
「自分の経験を”活かせる”と思ったから」→活かせる自分の能力を伝える
「御社のビジョンに”共感”したから」→共感した内容に絡めて、貢献できる自分の強みを伝える
「御社の製品が”好き”だから」→好きだからこそ、発展させたい意欲を伝える
ただしここで一つ注意することは、アピールする場合は過去の実績を伝えるのではなく、「未来への可能性」を伝えた方が良いということです。
つまり、こういうことです。
NG:「私は〇〇という経験があるため御社に貢献したいと思います。」
OK:「私は御社で◯◯にチャレンジして御社に貢献したいと思います。」
また、参考までにこのような研究結果がありますので紹介します。
スタンフォード大学およびハーバード・ビジネス・スクールの研究によると、人間には無意識に、これまでの功績や実績よりもこれからのポテンシャル(潜在能力)への期待を重視する傾向があるのだそうです。
継続的に行われた調査の結果(英文)、2年の職務経験があり、リーダーとしての実績がある候補者よりも、リーダーシップのポテンシャルを測るテストで高得点を上げた候補者を優先する傾向があるということが明らかになりました。
この研究結果から言えることは、人は実績よりも可能性に魅力を感じるということです。
このように、ニュアンス一つで人の印象を左右することもできるのです。
どうしてもアピールしようとすると、過去の実績の自慢のようなことをしがちですが、未来への抱負のようなことを伝えた方がいいでしょう。
ちなみに志望動機が完璧に答えられても、ある特徴がある人は面接に落ちやすいのです。
志望動機を真に受けるな
志望動機をそのままの意味で受け取ってはいけません。
この記事でも伝えたように、志望動機を真に受けている面接官はいません。
実際には、志望動機という状況を用いて、その人の人となりや論理性をみているだけなのです。
志望動機という状況を利用して、アピールできるように準備することが大事です。
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