

錯覚資産は、「人生は、運よりも実力よりも『勘違いさせる力』で決まっている - ふろむだ (著)」で提唱されているもので、以下のようなものだとされています。
何1つウソをついていないのに、相手が勝手に思考の錯覚を起こすようなものが、「錯覚資産」です。




特に錯覚資産をうまく使えている人ほど転職においても成功しているものです。


この記事を読んでほしい人
- 実力以上の企業に転職したい人
- 転職でアピールの仕方に悩んでいる人
- 自分の実力に自信がなくて悩んでいる人
錯覚資産をうまく使える人ほど転職がうまくいく理由
改めて錯覚資産とは、「実力以上に自分を良く魅せるもの」です。
しかしそれは何ら嘘ではなく、あくまで事実でありながら相手に対して(相手が)勝手に魅力的に思わせるものだと言えます。
「それ以上でもそれ以下でもない単なる事実」でありながら、認知バイアスによって他人に思考の錯覚を起こさせるようなものが、錯覚資産なのです。
そして僕も転職支援をする中で、この錯覚資産の使い方がうまい人ほど転職で成功を収めているということを日々実感しています。
では、なぜ錯覚資産をうまく使える人ほど転職でうまくいくのでしょうか?
それには2つのポイントがあると考えています。
転職は印象で決まる
本当の実力なんて誰も分からない
この2つのポイントがあるがゆえに、転職において錯覚資産が効いてくるのです。
錯覚資産とはどういうものか具体的に理解したい方は、こちらの記事が参考になります。
転職は印象で決まる
僕は以下のツイートや記事を通じて、面接は印象で決まるということを伝えてきました。
「面接とは最初の1%の時間で抱いた印象に間違いがないかを、残りの99%の時間をかけて確かめる作業」
トレド大学の実験で証明されており、誰が面接官であろうと最初の30秒〜1分の間にとりあえずめちゃめちゃ良い印象を与えることに全精力を注ぐことを肝に銘じて臨めばいい。
あとはヘマをしないこと。— ケイ THE ただの雑学おじさん📚 (@mikaitabi) May 3, 2020
転職においては印象がものすごく重要であり、その印象を良いものにしてくれるのが錯覚資産なのです。
そして錯覚資産をうまく使える人ほど相手に良い印象(この人はスゴイ人かもしれないという感情)を与えることにつながるのです。
すると、自分の実力以上の転職先から内定をもらえる可能性は自ずと高まると言えます。
本当の実力なんて誰も分からない
転職活動において出会う人の中で、あなたの本当の実力を理解している人は誰もいません。
転職活動では、面接官や転職エージェントと出会います。
しかし、初対面であったり、初見ではないまでも2回~3回しか会わないような人が他人の本当の実力を見極められるでしょうか?
「『印象を制す者が面接を制す』面接の合否は9割が印象によって決まる」でも話しましたが、人が他人を見抜くことは容易ではなく、むしろ印象によって影響を受けやすいのものです。
つまり転職活動を通じて出会う人(初対面の人達)は、より一層他人のことを推し量ることは難しいと言えます。
(※普段から接している人と比べて)
だからこそ、実力以上に自分を良く魅せてくれる錯覚資産が効果的に作用するのです。
服装が与える錯覚効果もナメてはいけません。
錯覚資産の使い方
ここまで、錯覚資産をうまく使うことで転職活動が有利になるということを解説してきました。
しかし、今の仕事において大きな売上を出したり、マネジメントを経験したり、新規事業を立ち上げたりした経験を、ただ単に伝えても錯覚資産としての役目を果たしません。
つまり、相手から「この人はすごいかもしれない」という錯覚をさせることにはつながらないのです。
それでは、どのようにして錯覚資産をうまく使えば、相手に錯覚させることができるのでしょうか?
資格で箔が付くと思っている人は少なくありませんが…。
錯覚資産を使う上で重要な2つのポイント
錯覚資産をうまく使うには、この2つが重要だと言えます。
数字を用いる
具体的に話す
それでは、この2つのポイントついて解説していきましょう。
数字を用いる
数字を用いることで、その物事に対しての信頼度が高まります。
数字とは絶対的なものであり、強く印象に残るという性質があります。
だからこそ数字を用いることで、あなたの経験やスキルといった資産を相手が錯覚する(本質以上に評価する)ことにつながるのです。
具体的に伝える
具体的に伝えることで、相手への訴求力が高まります。
「面接準備は1時間あれば十分!この2つを押さえておけばOK【解説】」でも話しているように、自分の経験やスキルをを伝える場合、それを獲得した背景をイメージできるくらい具体的に伝えることが重要です。
いわゆる”ストーリーテリング”を行うことで、よりあなたの経験やスキルに対して相手が価値を感じることにつながるのです。
この2つに笑顔が加われば、面接合格率はさらにUPするでしょう。
僕がこれまで活用した錯覚資産について
錯覚資産の重要性と使い方について話してきましたが、ここでは僕が実際にこれまでに使った錯覚資産について話していこうと思います。
僕は新卒で就職する時と、転職する時に以下の錯覚資産を活用しました。
僕が活用した錯覚資産
- 学生時代にオーストラリアに1年在住+英文学科卒業
- オーストラリアのスーベニアショップ(土産屋)でワインを1日に30万円分売り上げた
- 出向先で7ヶ月連続達成
- 新規事業部でのMVG獲得
このように見ると、自分でもなかなかスゴイ経験や実績だと思えてしまいます。
しかしこれこそが錯覚資産であり、何ら大したことはないどころか単に運が良かったり、うまく魅せられているだけなのです。
その理由をそれぞれ説明しましょう。
一つ目の「学生時代にオーストラリアに1年在住+英文学科卒業」ですが、
ワーキングホリデーで滞在していただであり(ちょっとお金を貯めれば誰でもできる)、英文科卒で英語ができない人なんて腐るほどいます。
二つ目の「ワインを1日30万円売り上げた」ことも、国際線搭乗口近くの土産屋であったため、外貨が余っている人は自ずと使うような場所だったのです。
(帰国後に外貨を持っていても仕方ないため)
それゆえ、出国者(帰国者)が多い日は外貨処分する人も多く、かつ土産品には丁度いい価格&商品だったこともあり、セールス力がなくとも売れたわけです。
そして三つ目の「出向先で7ヶ月連続達成」も、扱っていた商材が初期費用が不要でコスト削減につながるもの(電話回線)であり、かつリーマンショック後の不況下だったことが要因として挙げられます。
不況時で先行投資を控える企業がほとんどだった状況において、契約さえすればこれまでのコストが下がるのであれば、特別な理由がない限りは断られることもなく、これも営業力どうこうよりも足を運んだ数で達成できるようなものでした。
そして最後の「新規事業部でのMVG獲得」も人材紹介契約が目的であり、売上が立つ採用決定は関係ありませんでした。
つまりこれも、採用ニーズがあって人材紹介に頼りたい企業であれば、契約しない理由は特になく、大手企業ということもあって難なく契約数を伸ばすことができました。
加えて、リーマンショック後の不況下ではあったものの、回復の速かったIT業界担当だったことも、MVG獲得を後押ししたと言えます。
ここで挙げたように、僕自身これまで錯覚資産をうまく使うことで、凡庸な自分に少しでも価値があるように魅せてきたのです。
本当に実力がある人はそれで勝負すればいいでしょう。
しかしほとんどの人は本当の実力なんてたかが知れているのではないでしょうか。
そんな人にこそ、転職において錯覚資産は大きく強力な武器になるのだと思います。
錯覚資産を使おうにも、自分に見合った転職先候補でないと意味がありません。
そして自分に見合った転職先候補を見つけるには、転職エージェント選びが重要です。
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錯覚資産を用いる上での注意点
錯覚資産は転職において有効な武器になるのは事実です。
しかし一方で、錯覚資産を活用する上で注意しなければならないこともあります。
それは何かというと、相手の理解度です。
どういうことかというと、あなたの錯覚資産である経験やスキルについて相手がとても詳しく、相対的価値や希少性、重要度合などの感覚を持ち合わせているような場合、相手に錯覚を起こせないということです。
例えば先ほど挙げた僕の錯覚資産である「出向先で7ヶ月連続達成」において、相手が僕が扱っていた通信回線の特性やその当時の市況感についての知見があった場合、錯覚資産の効果を発揮することができません。
つまり、自分の持っている資産内容と相手の理解度にギャップがあることが、相手に錯覚を起こすための前提になるということなのです。
この点を踏まえないと、錯覚資産を用いてアピールしたととしても、相手からしたらあなたの凄みを感じるどころか、浅はかさに目が行ってしまうかもしれません。
このようなことからも、相手があまり分からない分野や領域での経験やスキルをアピールすることがとても重要なのです。
錯覚資産は大事ですが、一方で本質的な強みも把握しておきましょう。
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転職こそ錯覚資産の威力が発揮される
改めて錯覚資産とは、「実力以上に自分を良く魅せるもの」です。
そして転職という状況においてこそ、錯覚資産の威力が発揮されると言っても過言ではありません。
とりわけ印象が優先される面接では、錯覚資産の使い方次第でまさに実力以上の評価を得ることができるでしょう。
だからこそ転職を控えている人は、まずは自分の錯覚資産になり得るものは何なのか、そしてその錯覚資産の威力を発揮するためにはどうしたらいいのかということを考えることが大事です。
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