











この記事を読んでほしい人
- 勉強したいけど仕事が忙しくて時間がない人
- これから何かを勉強しようと思っている人
- 勉強しているものの身に付かない人
効率的・効果的な勉強法
「キャリアアップのために英語を話せるようになろう」
「今の仕事の専門知識を身に付けなければ」
「将来独立するために経営のことを学ぼう」
何かを勉強していたり、これから勉強しようと思っている人は少なくないでしょう。
しかし仕事をしていると、忙しいためあまり勉強時間を取れないという悩みがあります。
そのため社会人が勉強するにあたって大事なことは、いかに効率的かつ効果的に勉強できるかということです。
短い時間でも覚えたり、身に付けることができれば、多忙な社会人でも勉強のモチベーションは高まるはずです。
そこで、学習に関する様々な研究によって科学的に証明されている勉強法を行えば、短時間で効果的に習得することができる可能性が高まります。
社会人の学びは読書からが多いのではないでしょうか。
効率的・効果的な勉強法3選
まずは米国のケント州立大学による学習方法に関するレビュー論文に記されている効果的・効率的な勉強法になります。
この研究では、10の学習方法を基に効果の高低を調べました。
そしてここでは、その中で効果が高いとされた勉強方法(学習方法)を紹介します。
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①テスト
テスト形式にして、覚えたと思われることを確かめます。
これは「What Do People Know About Excellent Teaching and Learning? - Center for American Progress」にも記されていますが、人は忘れそうなことや忘れてしまったことを思い出そうとする際に記憶に定着するとされています。
そのため自分でテストを行い、特に忘れていそうなもの既に忘れているものを思い出すことをすることで定着率が高まると考えられます。
②分散学習
時間を分けて複数のことを勉強します。
例えば、本格的に米国株投資を行おうと思ったとした場合、投資、英語、経済について勉強する必要があります。
それに際して、まず投資について20分、次に英語について20分、そして経済について20分、そしてそれらを復習します。
このように少しずつ勉強し、忘れかけた頃に改めて思い出すようにすることで短時間での習得ができるようになります。
③インターリービング
一つのことを学習するにあたって様々な学習法を行います。
例えば英語を勉強する場合、リーディングに15分、ライティングに15分、リスニングに15分、スピーキングに15分というような感じです。
南フロリダ大学の研究でも126名の学生を対象に、ブロック学習(一つのことに集中して学ぶ)とインターリービング学習を比べたところ、翌日でも30日後でもインターリービング学習をした学生の方がテスト結果が良かったとのことです。
勉強に効果的な意外な方法4選
ちなみに勉強に効果的なことというのは様々あります。
ここでは勉強に効く意外な方法について紹介します。
④独り言
独り言を言いながら勉強をすると、身に付きやすくかつ集中力も高まります。
英国のバンガ-大学の研究で、28人を対象にエッセイを書いてもらい、それに際して以下の指示を出しました。
(1)黙読しながら書く
(2)自分の考えを越えに出しながら書く
その結果、(2)自分の考えを声に出しながらエッセイの方が、格段に論理構成や説得力が高く集中力も高かったのです。
参照元 The impact of verbal instructions on goal-directed behaviour - ScienceDierct
ちなみにこれは「自己参照効果」による作用だと考えられ、単に頭で考えるよりも自分の声を聞いた方が物事を客観的に把握することができるのです。
そして自己参照効果には3つのパターンがあり、
- 実況:自分の頭の中の思考を声に出す
- 質問:自問自答する
- 要約文章を読みながら自分の言葉で要約
抽象的なものや難解なものを勉強する場合は実況による独り言を、問題集などが付いていないおのの場合は質問による独り言を行うと良いとされています。
⑤運動
動きながらや、運動をした上で勉強すると効果的に学習できます。
これは運動することで血流が良くなり、それによって脳に血液が周りやすくなり、結果的に頭の回転が早くなると考えられます。
また、ドイツのマックス・プランク研究所の研究によると、ジェスチャーが学習効率を高めるということが示唆されています。
ちょっと筋トレしてから勉強をしてみてはいかがでしょうか?
⑥ゲーム
ゲームをすることでも学習効果が促されます。
2014年に発表されたプリンストン大学の論文によると、普段ゲームをしない20人の技研者を半分に分け9週間に渡り、一方にはアクションゲーム(コール・オブ・デューティ2とアンリアルトーナメント2004)をしてもらい、もう一方にはシュミレーションゲーム(ザ・シムズ4)をしてもらいました(総プレイ時間は50時間ほど)。
その後、知覚学習テストを行ったところ(1)アクションゲームをした人は学習能力の向上が見られ、1年後に改めて行ったテストでも同様の結果が確認されました。
また、ドイツのシャリテ大学の研究でスーパーマリオ64を1日に30分ずつしてもらうという実験を行なったところ、2ヶ月後に全員の脳をMRIで調べたところ何もしなかった人たちに比べて、スーパーマリオ64をした人達は短期記憶を司る海馬、理性や集中力を司っている前頭前皮質、さらに運動能力を司っている小脳のサイズが大きくなっていたのです。
ちなみに、このような学習効果に寄与するゲームとしては、以下の条件があると考えられています。
- リアルタイムの判断が要求される
- 謎解きの要素がある
- 3D空間を飛び回る
休みの日にゴロゴロしているくらいなら、ゲームをしている方が良いでしょう。
⑦昼寝
十数分~数十分ほど昼寝をするだけで記憶が定着しやすくなります。
「仕事中に昼寝をすることはサボりではない?むしろ昼寝は生産性を高める」で話していますが、被験者である学生に対して短い物語の記憶テストを行ったところ、15分目を閉じて休んでいた学生の方が物語の内容を記憶していたのです。
睡眠は記憶を定着させると言いますが、短時間の昼寝でも効果があるということです。
勉強時に止めた方がいいこと
ここまで勉強を効率的・効果的にする方法について紹介してきました。
ただ一方で、勉強の効果を低下させてしまうことがあります。
それをしてしまっていると、せっかく効率的・効果的な勉強方法を行っていたとしても意味がなくなってしまうかもしれません。
そこで、ここでは「勉強時に止めた方がいいこと」をお伝えしていきます。
併せて「止めた方がいい考え方」についても知っておいて損はありません。
音楽を聴く
音楽を聴きながら勉強するという人はいるかと思いますが、オススメしません。
というのも、音楽を聴きながら勉強すると記憶の定着率が下がってしまうそうです。
音楽を聴いて勉強する方が集中しているような気がするのは、単に音楽を聴いてドーパミンが出て気分が良くなるからなのです。
ただし、勉強前に聴くことでアドレナリンが分泌されやる気が出るため、勉強する前に聴くといいでしょう。
スマホを見えるところに置く
勉強する時は、スマホを見えるところに置くのは止めましょう。
なぜなら、メッセージやアプリの通知が集中を遮ってしまうからです。
ミシガン州立大学の研究で、学生たちに集中力が必要なパソコンを使う作業を行ってもらい、途中でポップアップ画面を開いてその表示する時間を変えていきました。
その結果、2.8秒のポップアップ画面が開くだけで、参加している学生たちの作業速度が半分以下まで低下し、ポップアップの表示が4.4秒の場合は1/3まで作業効率が低下し、作業速度を元のレベルまでに戻すには25分もかかったのです。
参照元 Momentary interruptions can derail the train of thought. - APA PsycNet
アンダーライン
本やノートにアンダーラインを引くことも止めた方がいいでしょう。
色付きのペンで大事だと思われる個所にアンダーラインを引く人は少なくありませんが、先に紹介したのケント州立大学による学習方法に関するレビュー論文によると、これは効果が低い方法だと判明しています。
これは線を引くことによって、覚えたという気になっているだけなのだと考えられます。
座りっぱなし
ずっと座ったままで勉強するのも止めた方がいいでしょう。
これは先ほど紹介した”運動”と関係があることで、立っている時や歩いている時の方が記憶力が高まるとされています。
また、テキサス A&M ヘルスサイエンスセンターの実験でこんな実験を行いました。
7歳~10歳の小学生を282人集めて全体の半分に分けて授業を行ってもらいました。
(1)椅子に座って普通に授業を行ってもらったグループ
(2)スタンディングデスクで授業を行ってもらったグループ
その結果、立ったまま授業を行ったグループの子供は作業の達成度が12%アップし、教師の質問に対しても手をあげる回数が増えて積極的に授業に参加するようになりました。
加えて、グループディスカッションにも積極的に参加するようになり無駄話まで減ったのです。
また、長時間座っていることによる弊害は数多くあるのです。
社会人は短い時間で身に付ける意識が大事
仕事をしている傍らで勉強するのはとても大変です。
そのため、いかに短時間で習得するように勉強の生産性を高めることが重要です。
だからこそ、ただ闇雲に勉強するのではなく、効率的・効果的な勉強法に則って学習することが大事なのです。
仕事をしながら勉強をしている人は、ここで紹介したことを試してみてはいかがでしょうか?
ワーキングメモリを強化することで、さらに勉強の効率・効果が高まるはずです。
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