









この記事を読んでほしい人
- 職場で具体的な施策がないという人
- 声の大きな人が主導権を握る職場にいる人
- ”やる気”や”頑張り”というワードが飛び交う職場にいる人
気持ちを重視する危うさ
なぜ気持ちを先行する組織は危険なのでしょうか?
冒頭でも伝えましたが、それは気持ちを先行(重視)する組織ほど道を誤る可能性が高いからです。
そして気持ちを先行する組織ほど、ある3つの状態に陥ってしまうのです。
気持ちを重視する組織ほど、皆で同じ方向を向く組織になってしまうかもしれません。
気持ち先行型組織が陥る3つの状態
具体的に言うと、以下の3つの状態に陥ってしまいます。
視野狭窄
戦略欠如
思考停止
そしてこの3つの症状は、組織が”気持ちに傾倒した瞬間”からほぼ同時多発的に発症します。
では、この3つそれぞれについて説明していきます。
視野狭窄
組織が気持ちに傾倒すると、視野が狭くなります。
”やる気”や”頑張り”といった感情に視点がフォーカスされてしまうため、それ以外の要素(特に市場や競合といった外部要素)に目が向かなくなります。
一方で視点が向くのは、その組織に属している個人の状態のみになります。
〇〇な目標を持つことも、視野を狭める原因となり得ます。
戦略欠如
視野狭窄になることで、合理的な戦略が生まれなくなるのです。
組織が戦略と思い込んでいるものは”感情論”にすぎず、検証できるものではありません。
そのため上手くいかない場合は、さらにその感情論に輪をかけて闇雲に行動することになります。
そして仮に上手くいった場合も、一体何が功を奏したのか誰も分からず、「運が良かった」で終わってしまいます。
合理的ではない営業ノルマを設定する会社は戦略が無いことを意味します。
思考停止
視野狭窄と戦略の欠如を発症することにより、最終的には思考停止に陥ります。
基本的には、”やる気”や”頑張り”を表現しつつも、本質的ではない行動を取ります。
つまり、外部環境(市場や競合)の変化にも気づかず、加えて内部環境(行動と成果の関連性など)への仮説検証も正しく行われず、ただ闇雲に行動するだけのマシンと化すのです。
このように気持ちに傾倒した組織ほど、最終的にはそこに属する人たちを思考を止めた(できない)マシンにしてしまいます。
皮肉ですが、組織は気持ちという感情にベースを置いた結果、感情を持たないような人たちを生んでしまうということです。
思考停止の職場はブラック職場になってしまう可能性を孕んでいます。
気持ちを重視する企業の末路
ちなみに、このような研究があります。
オックスフォード大学の研究で、北米の動物保護施設で働く50名の男女にインタビューを行い、長期間のヒアリングを重ねて調査チームは参加者の働き方を3つのパターンに分けました。
(1)アイデンティティ思考:自分にはその仕事に対して才能がある、この仕事が天職だと考えている
(2)貢献思考:この仕事を通じて社会に貢献するとか世の中を良くすると考えている
(3)実践思考:仕事と割り切って、自分の能力も現実的に考えそれに合った仕事を冷静に見極めて行う
この結果、最も仕事のスキルが上がりやすく、安定して職場に居続けることができた人は(3)実践思考の人だけだったのです。
(1)や(2)は情熱はある一方、その分理想も高くなるために現実のストレスに対して弱くなる傾向があるのだそうです。
歴史を紐解いても、気持ちに傾倒した組織はいずれ崩壊しています。
第二次世界大戦における旧日本軍はその悪例だと思います。
戦闘機もろとも米軍艦に突っ込む特攻隊は、戦略もへったくれもないやっつけ行為であったため、1隻の艦を鎮めるために81人の兵士の命を失わせていたそうです。
これも、旧日本軍上層部の気持ちに偏った行動による犠牲と言えるでしょう。
旧日本軍の数々の愚行から、気持ち型組織の失敗が垣間見れます。
気持ち先行型組織の特徴
気持ちを重視する特徴ってどんなものでしょうか?
ここでは、気持ちを重視する組織の特徴を伝えていきます。
やる気”、”頑張り”、”前向き”、”膝を突き合わせて”のようなワードがよく発される
会議やミーティングで具体的なアイディアが出てこない
調査や計算などの面倒ごとや具体化を避けたがる
やたらと会議、ミーティング、決起会をしたがる
会話の中に抽象的な言葉が多い
声が大きい人ばかりが発言する
これらはあくまで僕の主観ですが、残念ながら僕が勤めている会社は気持ち先行型の組織なのです。
そこから組織を眺めてきた中で、先に挙げたような特徴があったというわけです。
実際にどんな様子かというと、特に会議やミーティングの時にこの特徴が顕著に現れます。
とある「営業戦略会議」という名目の会議での話です。
その名の通り、その期に「どのように営業活動を行っていくのか?」ということを決定するものです。
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しかしそこでは、
「人と人で顔を合わすことが大事だ」
「お客さんとしっかり話していけば分かってくれるはず」
「手紙を出してみよう」
と、このように”根性論よろしくかのような意見”や”抽象度MAXの施策”しか出てきませんでした。
そして最終的には、「とりあえず今日出た意見や施策は改めて検討し、引き続き気合い入れて頑張っていきましょう」で終わったのです。
つまりは、何も決まらず、かつ結論を出す期日の設定もせず、うやむやに会議が終わってしまったのです。
僕が所属する組織は正に、気持ち先行型組織の典型例だと思います。
組織に気持ちは必要ありませんが根回しは必要です。なぜなら人は感情で動くからです。
なぜ”気持ち先行型”になってしまうのか?
正直、楽だからではないかと思うのです。
感情論で仕事を行うことで、もし上手くいかなくても明確に責めれらる対象が存在しません。
そのため、「頑張りが足りなかった」という抽象的な反省でことを片付けられるからです。
正直、あなたも「頑張りが足りなかった」と言われる方がマシではないでしょうか?
こんな感じで言われるよりは。
「あなたが考えた〇〇という戦略が悪かった」
「あなたが提案した△△という施策が機能しなかった」
このように理由をはっきりと言われると、グサッと来るものです。
そのため、傷つきにくい感情先行型の組織にあえてなってしまうのです。
組織では嫌いな人とも関わっていかなければいけません。そんな嫌いな人へも接し方を工夫するだけでストレスが減ります。
気持ち先行型組織は生き残れない
思うに、気持ち先行型組織に未来はないと思います。
昭和から平成に移り変わるバブル期までであれば、むしろ気持ち先行型組織の方が上手くいったのでしょう。
全てが右肩上がりに伸びていたので、やり方どうこうよりも、どれだけやるかという、方法より量で成果が出たのだと思います。
しかしそんな時代の状況とはかけ離れている現代では、いかに緻密かつ綿密に物事を組み立てていくかということが、気持ちよりも重要なのではないでしょうか。
自分の可能性を縮めてしまうような組織にいることはオススメしません。
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