
















この記事を読んでほしい人
- 他人にお願いするのが苦手な人
- 他人にお願いされると断れない人
- 交渉において自分が望んだ結果を手にできない人
仕事で使える超簡単交渉テクニック
仕事をしていると様々な交渉をするシーンが訪れます。
あなたもこのような状況を経験したことはありませんか?
- お客さんから値下げしてほしいと依頼された
- 同僚や上司、後輩に仕事の協力を依頼した
- 会議で意見を交わして協議した
これら以外にも、仕事では相手に自分の考えを納得してもらったり、自分にとって有利な条件を引き出したり、自分と相手の間にある相違を踏まえて落としどころを探ったりしなければいけないということはよくあります。
しかし、何の意図や準備もなくただ単にお願いをしたり、理解を求めても自分が満足する結果を得られる可能性は低いでしょう。
そのため、交渉という手段が重要になるのです。
そしてこの交渉には様々なテクニックがあり、それらを駆使することで自分が優位に物事を進めることができるのです。
しかし、交渉というと「なんか難しそう」といって敬遠してしまう人は少なくありません。
ということで、ここでは誰でも簡単に使えて自分が優位に立てる13の交渉テクニックを以下の3つの手法に分けて紹介していきます。
時期
行動
情報
ここで挙げた「時期」、「行動」、「情報」を意識して相手と交渉するだけで、あなたが望む結果に近づけるはずです。
それでは誰でも簡単にできる交渉テクニックを一つずつ紹介&解説していきますので、交渉シーンがある場合はお試しください。
時期
交渉の場では何かをお願いするということはよくありますが、お願いする時期(タイミング)に気を配るだけで、そのお願いが相手に承認されるか否かを左右するかもしれません。
そのため、交渉事を行う場合に良い時期(タイミング)をお伝えします。
3ヶ月~半年先のことをお願いする
お願いをする場合は、先々のこととして依頼をすると良いでしょう。
人は未来のことに対しては気が大きくなる傾向があります。
これはいわゆる楽観バイアスであり、人は何も根拠が無いにも関わらず、未来は良くなると感じてしまうのです。
そのため今すぐ必要でないのであれば、3ヶ月以上先のこととしてお願いすることで、相手からYESと言ってもらえる可能性は高まります。
先々に叶えたいことがあるのであれば、前々から根回ししておくことをオススメします。
4分以内にお願いする
お願いをする場合、手土産やプレゼントを携えて行うことはありませんか?
その様な場合、4分以内もしくは遅くとも7分以内にお願いをすると良いでしょう。
人は相手から何かを与えられた場合、返報性の法則といって「自分も相手に何かお返しをしなければ」と思う性質があります。
そして、この返報性の法則を強く感じるのが7分以内というわけです。
返報性の法則に基づいた仕事術を会得しましょう。
ランチの後にお願いをする
お願いをする場合、ランチの後も良いしょう。
ランチ明けに人が寛容になる理由は「面接の時間帯はいつがいいのか?科学的に最も良いのは〇時!【解説】」で解説しています。
人は空腹時は判断や決断にストレスを感じる一方で、満腹時には寛容になるのです。
そのため、ランチ終わりを見計らって依頼をしてみましょう。
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行動
交渉の場では、色々な駆け引きがなされると想像する人は少なくないでしょう。
もちろんそれは間違いではありませんが、プロでもない限り交渉中の駆け引きのテクニックを駆使することは難しいはずです。
そのため、ここでは誰もができる交渉を有利にするための簡単な行動(アクション)をお伝えします。
ジェスチャーをする
交渉の場では手を動かしたり、首を捻ったり、ジェスチャーを交えながら相手とコミュニケーションを図ると良いでしょう。
こちらの実験をご覧ください。
2011年のカラマズー大学の実験で、会話中におけるジェスチャーは効果があるのか(説得力や理解度を高めるのか)ということを調べるため、63件のデータから2396人分の情報をまとめました。
その結果、ジェスチャーを使うことであらゆる点からコミュニケーションが円滑に進み、主に5つのメリットがあるということが分かりました。
(1)相手の理解度が高まる
(2) 具体的な話題が伝わりやすくなる
(3)シンプルで簡潔な話であってもより伝わるようになる
(4)信頼関係を築きやすくなる
(5)相手の記憶力を高めることにつながる
参照 When Do Gestures Communicate? A Meta-Analysis - Autumn B. Hostetter
以上のことからも、ジェスチャーは円滑なコミュニケーションを促すということが言えると思います。
交渉においては円滑なコミュニケーションは最低限必要な要素ですので、相手と話す際にはジェスチャーを交えて話してみましょう。
相手に印象付けるという意味でもジェスチャーは重要です。
相手と同じことをする
交渉の場では、相手と同じような動作を行うと良いでしょう。
なぜなら同期行動といって、人は同じような行動をとったり同じ趣味趣向を持っている人に好意を持つ傾向があるのです。
交渉のような場において相手から好意を持ってもらうことは、かなりのイニシアティブを握ることにつながります。
したがって、相手が水を飲んだら自分も水を飲み、相手が手を組んだら自分も手を組むというように、交渉の場では相手と同じ行動をしてみましょう。
ただし、相手をバカにしているような感じにならないようにだけ注意しましょう。
相手に好意を持たれるための方法は様々あり、他人からの行為は印象によって決まります。
質問をする
交渉の場では、多くの質問を相手に投げかけると良いでしょう。
なぜなら、交渉が上手い人ほど多くの質問をするということがある研究から言われており、交渉上手な人は一般的な人と比べて2倍ほど多くの質問をしているそうです。
質問をするということは相手の話に耳を傾けているという意思表示にもなることから、相手の好意を引き出すことにつながるのだと考えられます。
したがって、交渉の場面では相手に色々と質問を投げかけてみましょう。
質問の数が多いほど相手に良い印象を与えることについて、こちらでより詳しく説明しています。
握手をする
交渉の場では、まず最初に相手と握手すると良いでしょう。
まずはこちらの実験をご覧ください。
2012年にイリノイ大学で行われた実験で、18名のビジネスマンに脳波計をつけながら仕事の商談をしてもらい、商談の始まりにどんな握手をしているか調べました。
その結果、グッと力の入った固い握手をしている被験者ほど初対面の相手に対して人としての魅力やカリスマ性が高い印象を持たれ、更に強い握手をした側の人間の脳波が安定してリラックスできていることが分かりました。
また、強い握手をした被験者はその後の交渉が難航したりお互いネガティブな感情でぶつかった場合でも、その交渉でぶつかった際の感情のマイナスな影響を和らげることができたのです。
このようなことから、交渉前に握手を交わすことはオススメです。
ただ、コロナウイルスが流行している現状においては難しいので治まった際に握手してみましょう。
「サイコロジカルタッチ」という相手との距離の縮め方を知っていますか?
相手以上に譲る
交渉の場では、相手以上に譲ると良いでしょう。
交渉の場においては譲歩というのは効果的な戦術です。
そこで、相手が一つ譲った場合、自分は二つ譲るのです。
これも先ほど伝えた”返報性の法則”の効果だと考えられ、相手に譲ることで相手も「自分も相手に譲ってあげなければ」という考えを促すことにつながり、相手からさらに良い条件を引き出せるかもしれません。
ただしポイントとしては、絶対に譲ってはいけない部分は押さえておき、自分が譲っても大して影響がない部分を譲るという具合です。
交渉の場では、相手以上に譲るようにしてみましょう。
あえて年収を下げるなど、譲歩することはキャリアを築く上で有効な戦略となり得ます。
素を出す
交渉の場では、素を出してみるのも良いかもしれません。
なぜなら、交渉に関する研究では「交渉の場でクロージングをかける際、自分の素を出して交渉した方が自分にかかるストレスが減り、判断力が向上し、結果として交渉もうまくいく」とされています。
詳しくは分かりませんが、素を出すことで相手に対してオープンであるという意思表示につながり、相手も壁を取り払って信頼してくれるのではないかと考えられます。
ただし、素を出しすぎて幻滅される可能性もあるため、状況をわきまえて巣を出す必要はあるでしょう。
初対面の人や苦手な人にこそプライベートな話をすることをオススメします。
無関心を装う
交渉の場では、無関心を装うのも良いかもしれません。
当たり前ですが、交渉においては関心が無い方が有利だと言えます。
(交渉が決裂しようが、その交渉に無関心であればダメージは無いため。)
しかし、それとは裏腹に狙いがあるから交渉の場に立つわけです。
そのため、例えば相手が話しているときに意図的に目をそらすなどすることで、相手に不安感を抱かせ、それによって自分が主導権を握る可能性が高まります。
このテクニックは多少難しいですが、相手より優位に立ちたいのであれば無関心を装ってみてはいかがでしょうか。
情報
交渉の場では、相手に情報を与えるということは少なくありません。
また、その情報の内容によって交渉結果を左右する可能性は大いにあり得ます。
そのため、ここではどんな情報が交渉を有利にするのかとお伝えします。
統計よりも具体例を出す
交渉の場では、統計情報よりも具体例を出すと良いでしょう。
というのも、人は具体例の方に引かれるとされており、具体例>統計情報として人は認識するのだそうです。
これは人は想像しやすい方を信じる傾向にあるためであり、それゆえ具体例の方が相手が信じやすいということなのです。
交渉ではデータなどで飾った手の込んだ資料を提示することが多いかと思いますが、案外自分の経験談を語った方が相手に刺さるかもしれません。
調べ上げられたデータを提示するビジネスマンは仕事はできそうですが、実は…。
目撃情報を基に話す
交渉の場では、目撃情報を伝えると良いでしょう。
これも具体例を出すと良いのと同じで、人はイメージしやすいものを信じる傾向があります。
そのため、目撃情報は間違っていたとしても80%くらいの人が信じてしまうそうです。
したがって、たった今目の前で起きたことのように話してみましょう。
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その他
交渉を有利にするためには、他にもテクニックがあります。
ここでは先ほど挙げた以外の交渉テクニックをお伝えします。
室温を変える
交渉の場では、途中で室温を変えると良いでしょう。
人は温度が変わらない場所に一定時間いるとイライラしてくる傾向があります。
そのため1度~2度ほどでいいので、室温を変化させると落ち着く効果を与えられます。
ただ、これは自分の会社であれば対応可能ですが、客先の場合にできないのが難点です。
室温を変えることは仕事の生産性も上げる効果があります。
戦術を施す
交渉の場では、戦術を施すと良いでしょう。
これは多少手間が掛かりますが、やること自体は簡単です。
「if then プランニング」というもので、これは「もしAが起きたらBを行う」というように予め起こりそうなことを予測しておき、その対策としてBを併せて考えておくのです。
「相手が値下げを依頼してほしいと申し出てきた場合、定価の5%までは値下げに応じる」といったゴールを設定しておくことはよくありますが、if then プランニングでは「もし相手が無理に値下げを申し出てきたら、その交渉を破棄することもできる」というようにマインド面の対策を行うことです。
気が強くない人の場合、相手から強く迫られてしまうと意図とは関係なく相手の条件を飲んでしまったりすることがあります。
しかし、この方法を行うことで何もしないよりも約1.8倍も交渉がうまくいったという研究結果もあります。
したがって、交渉下手だと思う人ほど「if thenプランニング」をした上で交渉に臨んでみましょう。
交渉をする前に必要なこと
ここまで、仕事で使える交渉テクニックについて紹介してきました。
しかし、そもそも交渉を行うには相手が自分に関心を持ち、自分の話に耳を傾けてくれる状態が整っていなくてはいけません。
それが整っていない状況においては、いくら交渉テクニックを駆使したところで意味はありません。
では、どのようにして相手が自分に関心を持ち、自分の話に耳を傾けてくれる状態をつくればいいのでしょうか?
それに関しては、テロリストや犯罪者を相手に交渉を行うネゴシエーターが行う方法がオススメです。
ここでは簡単に説明しますが、この方法には3つのステップがあります。
- 傾聴
- 共感
- ラポール
この3つのステップを踏むことで、相手から関心を持ってもらい、自分の話に耳を傾けてくれる状態を築けます。
step
1傾聴
まずは相手の話をしっかり聞き、その際には自分の意見や主張を一切挟まず、相手をしっかり見て、頷きながら耳を傾けるようにします。
step
2共感
相手の主張や考えを理解し、それを基に相手の感情を推し量ります。
例えば、「今使っているこの商品の納品額をもっと下げてほしい」という主張があれば、「〇〇さんも限られた予算でのやりくりなど大変なんですね」というように、相手の気持ちへの共感を表します。
step
3ラポール
1と2のステップを踏むことで、このラポールという状態が築かれるのです。
これにより、相手は「この人なら話が通じる。理解してもらえる。」というような関係性を感じることにつながり、初めて対等にやり取りができる状態に至るのです。
この方法は交渉の百戦錬磨であるネゴシエーターが使うものであるため、本来はより緻密に計算された技術が求められます。
しかし、流れとしてはここで紹介した通りになりますので、仕事における交渉に臨む場面でも使えるはずです。
大事なことはいきなり交渉に入るのではなく、交渉を行える状態を作ることだということは頭に入れておきましょう。
交渉に際しては、相手だけではなく自分自身がどういう人間なのか理解しておくことも重要です。
交渉を制するということは
仕事で交渉するシーンというのは、少なくありません。
そして交渉を制することが、あなたの給料を上げたり、残業を減らしたり、やりたいことをやったり、責任のある地位に就かせてくれることにつながります。
しかし、多くの人は交渉をただのコミュニケーションとして対応してしまい、交渉の機会を不意にしてしまっています。
交渉は交渉として然るべき対応をすることで予想以上の結果を手に入れることも可能ですので、ここで紹介した交渉テクニックを駆使して交渉を制していきましょう。
誰でもできる簡単交渉テクニック
交渉においては、錯覚資産を活用することも効果的です。
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