この記事を読んでほしい人
- 仕事が楽しくない人
- 仕事を楽しみたい人
- 仕事に刺激や新鮮さがほしい人
まずは「仕事が楽しくない」の原因を知る
「なぜ仕事が楽しくないのか?」の原因を知ることが、仕事を楽しくするための第一歩になります。
なぜなら、仕事を楽しめない原因によって行うべき改善方法が変わるからです。
「仕事が楽しくない」といっても、楽しくない理由は人それぞれです。
しかし、仕事が自然と楽しくなるわけではありません。
そのため仕事を楽しめない人は、まず仕事が楽しめない原因を洗い出すことが大事です。
仕事が楽しめない原因は何か?
例えば、営業で成果が出ないことで仕事がつまらないと思っていたとします。
そこで上司に相談したところ、「少し休息を取るようにしてはどうか」という提案を受け、なるべく残業をしないようにしたとします。
果たしてこれで仕事が楽しくなるのでしょうか?
おそらく楽しくならないでしょう。
「成果が出ない」ために仕事を楽しめていないのですから、残業を減らしからといって楽しくなるわけではありません。
(中には残業を減らしてプライベートを充実させることで楽しむ人がいるかもしれませんが、それは本質的に仕事を楽しめるようになったわけではありません。)
これはちょっと極端な例ですが、このようなに原因と対策が噛み合っていないため、仕事を楽しめないという人は多いものです。
つまり、仕事が楽しくない原因を正確に把握できないと、何をしたとしても一向に楽しくなりません。
でも、”仕事を楽しめない原因”とは一体何なのでしょうか?
長く働いていると、何のため働いているのか分からなくなりますよね。
「仕事を楽しめない」の原因
僕が転職相談において、「仕事が楽しくない」という人に話を聞くと以下のようなことをよく耳にします。
成果が出ない
職場の人間関係
仕事内容や状況
労働時間が長い
暇な時間が多い
そもそもやりたい仕事じゃない
何か思い当たるものはありますか?
これ以外にも原因はあると思いますが、主にはこんなところじゃないでしょうか。
そして原因がつかめたら、自分に合った改善方法を探していくことが次のステップになります。
自分のパーソナリティに適した仕事をすることで楽しめるようになる可能性はあります。
「仕事が楽しくない」を改善する方法
これまで伝えてきたように、仕事を楽しめない原因に見合った改善方法を行なうことが、仕事を楽しめない状況から抜け出すために大事なことです。
なんでもそうですが、原因に適していない改善方法を行なったとしても焼け石です。
ということで、「仕事が楽しくない」という状態に合わせた改善方法を一つずつお伝えしていきます。
仕事の計画の立て方を見直す
「仕事で成果が出ないために仕事が楽しくない」という人の大半が、計画段階・準備段階で失敗していることが多いと言えます。
成果を出す上で最も大切なことは、計画や準備をどれだけ入念に考えられるかです。
この質が悪かったり的外れなものであれば、成功するものも成功しなくなってしまうでしょう。
仕事の計画・準備の際にしてはいけないこと
効果のない準備をすることで、目標達成率が10%程度まで低下してしまうと言われています。
そして、下記のようなことを準備や計画の際に行ってしまうと目標達成が難しくなります。
似たようなゴールを達成した人(成功者)を参考にする
準備通り行かなかったらマズイ事になると想像する
ゴールを達成したら人生が変わると想像する
ネガティブな思考を押さえつける
意志の力に頼る
これらのことを計画や準備の段階で行っているのであれば、見直した方がいいでしょう。
空想と現実を区別する
成功していることをイメージすると良いなんて言われたりしますが、結果だけをイメージしても意味がないのです。
1999年にカリフォルニア大学で、将来をイメージすることは目標達成にどのくらい効果があるのかという実験が行われた。
そこで学生にあるテストを行ってもらい、下記のように2つのグループに分けて検証した
(1)テスト結果をイメージしてもらったグループ(受かるだろう、成功するだろと結果そのものを想像する
(2)テスト過程をイメージしてもらったグループ(テストまでの過程と成功した後の行動や状態までを想像)
その結果、(2)のテスト過程をイメージしたグループの方が勉強の集中力が高まり、かつ試験に対する不安感が減りやすいということが判明した。
逆に(1)のテスト結果をイメージしたグループは受かった姿を想像することで満足してしまい、テストでは集中力も続かず、結果が悪かったらどうしようと考えてしまい、逆に不安感が増加した。
引用 Effects of Visualization on Academic Performance of College Students
こうした研究結果からも、「自分は大丈夫だ!目標達成できる!」と結果だけにフォーカスし、イメージすることは成果に結びつかないどころか、むしろ失敗する可能性を高めてしまうかもしれないのです。
一方でプロセスを具体的にイメ―ジする(プロセス・ビジュアライゼーション)ことで良い結果につながります。
大きな目標を持たず、小さな目標を立てる
営業目標やプロジェクト目標を立てるとき、大きな目標を掲げますか?
もし「自分は大きな目標を持つ」という人は、今後やめた方がいいかもしれません。
なぜなら、大きな目標を持つことは失敗する可能性を高めてしまうかもしれないからです。
大きな目標の弊害についてのレポートもあります。
績の低い企業ほど大きな目標を掲げているケースが多かった (2011年 デューク大学)
大きな目標を立てるほど失敗する確率上がり、目先の利益を優先する傾向がある。また、モチベーションの低下やズルを助長する。 (ハーバードビジネススクール)
引用 Goals Gone Wild: The Systematic Side Effects of Over-Prescribing Goal Setting
大きな目標を持つことでその目標までの行動が抽象的になってしまい、具体的な行動を自分に課すことがなくなり、結果的に成功できないのだと思われます。
このようなことからも、大きな目標ではなく小さな目標(スモールゴール)を持つことをおすすめします。
小さな目標にはメリットがあり、管理がしやすく、低い目標設定により行動しようか迷う時間が大幅に削られます。
さらに言えば、目標なんて持たない方がいいかもしれません。
目標を1つに絞る
目標を1つにすることで、何をすべきか明確になり、何をすればいいのかという迷いがなくなります。
また、効果検証のためのタイムロスも無くせます。
ただし、もし目標を一つに絞るのが難しいのであれば、複数の目標が最終的に一つにまとまるように仕組みを作りましょう。
最終目的地が一つなのであれば、どの目標を優先的に目指せばいいのかという葛藤を感じることがなくなります。
葛藤を感じることも、達成率が下げる要因になってしまうので注意しましょう。
やるべきことと、そうでないことを判別することは大事です。
目標を達成するための具体的な行動を習慣化する
「AをしたらBをする」というように、Bを行うためのスイッチをAとすることで意識せずに行えるようになります。
意識せずに行えるようになると、いちいち考える時間が省け時間効率も上がります。
仕事の習慣化には「ハビットチェーン」が効果的です。
バックアッププランを持つ
1つ目の計画が失敗しても、もう一つ計画があることでモチベーション維持につながります。
人は、計画が崩れてしまうと自暴自棄になって全てを投げ出したくなる性質が少なからずあるので、それを防ぐための保険としてプランBを持っておくことは良いことです。
仕事において最も重要なことは、”計画の立て方”なのです。
人間関係を構築する
「人間関係が原因で仕事に楽しみを感じられない」という人もいるかと思います。
そのような場合は、自分の仕事とは関係がないものであっても、あなたから他の人の仕事をサポートしてみてください。
実際、職場の人間関係が希薄(気兼ねせず話せる人がいないなど)で孤独感を感じてしまうことが原因だったりします。
しかしあなたが誰かを助けることで、あなた自身にメリットが生まれます。
まずは純粋に「良い人」だと思われること、そして助けた誰かから「お返し」をもらえる可能性がグッと高まります。
返報性の法則というものがあって、人には誰かから何かを得たとき、「自分も何かお返しをしなくてはいけない」という気持ちが芽生えるのです。
ちなみにこんな実験があります。
2018年にシカゴ大学で行われた実験で、300人の男女に複数個ある高級なお菓子と、複数個ある安いお菓子を二人で分け合うゲームをしてもらいました。
その際、一人は仕掛け人でもう一人が被験者となり、2つのパターンで検証を行ないました。
(1)被験者に相手は高いお菓子を選んだと伝える
(2)被験者に相手は安いお菓子を選んだと伝える
この結果、
(1)相手は高いお菓子を選んだ(譲らなかった)と伝えられた場合、7割の被験者は伝えられたあと自分からは相手に譲らなかったのです。
(2)相手は安いお菓子を選んだ(譲ってきた)と伝えられた場合、6割の被験者は伝えられたあと自分も相手に譲り、かつその相手に良い印象を持ったのです。
この実験から言えることは、先に自分から相手に良い行いをすることで、相手からのお返しと共に好意も受け取れるのです。
ちなみにこれとは別に、仕事の満足度は「職場に3人以上の友人がいる=自分の年収が2倍〜3倍」と同程度という研究もあるので、やはり職場で人間関係を作ることは仕事を楽しくするための確かな方法となるでしょう。
仕事内容を見直す
仕事が単純だったり、簡単すぎて楽しくないという人もいるかと思います。
ストレスやプレッシャーが全く無い状況や状態よりも、多少なりともストレスやプレッシャーといった不安を感じる方が幸福感が高まると言われています。
また、自分の得意なことを活かせないことも仕事に対する満足度を低下させるとされており、これは自己肯定感が高まらないからだそうです。
これはストリングス・ブラインドネス(強みの無知)といって、自分の強みをそもそも認識できていない場合も自己肯定感が低下するため、まずはあなた自身の強みを見つけ、次にそれを活かせる仕事内容にすることが必要です。
そこで仕事内容に楽しさを感じられないのであれば、その仕事の中であなたなりの目標設定をし、かつあなたの得意な領域で行うことをしてみることで現状より満足度を感じるはずです。
そうはいっても、勝手に仕事内容を変えることができない人がほとんどだと思います。
そこで、例えばあなたが営業の仕事に就いており、読書が得意(好き)だとしたら、あなたのクライアントへクライアントの競合や関連業界の情報、または担当者の趣味や興味のあることに関する情報を本から得て、それを相手に伝えてみてください。
すると仕事に深みが出て、また得意なことを活かせるため、そこまで苦にはならないでしょう。
その上、仕事に付加価値が付くことで、後々思わぬ効果が出ることも期待できるかもしれません。
ちょっとめんどくさくて敬遠してしまう仕事こそ、やる気を生み出すって知っていました?
参考 【理由】実は「やりたくない仕事」がモチベーションを上げるワケ
仕事の効率化を図る
仕事がなかなか進まなかったり、終わらないことでモチベーションが下がり楽しくないと感じている人もいます。
まずは効果のある行動にフォーカスしてみてください。
実際仕事において、意味のない業務や効果のない作業に時間を費やしている人がとても多くいます。
パレートの法則という言葉を聞いたことがあると思いますが、物事の8割は重要な2割から生み出されます。
つまり、あなたの仕事の生産性の8割は全体の業務の中の2割が作り出しているということです。
そのため、重要な2割の業務や行動が一体何なのかということを明確にし、それに集中して時間を使い、あまり生産性の高くない業務や行動である8割を削ることで、仕事を効率的に行うことができます。
また、仕事が遅い人によく見受けられることですが、”マルチタスク”を疑ってみてください。
ある業務を行なっている最中に他の業務を行ってしまうことはありませんか。
例えば、資料作成をしている最中にメールが来たので一旦メールを返信するというようなことを無意識的にしてしまっている人がいます。
ただし、これが仕事のスピードを下げる原因になってしまうため、マルチタスクをしてしまっている人はそれをやめることで、仕事を早く終わらせられる可能性が高くなります。
暇な時間を無くす
仕事が暇すぎて、業務中やることがないという人も仕事が楽しくなくなってしまいます。
時間が余っているとモチベーションが上がらないのです。
ちょっと想像してほしいのですが、暇なときってボーっとしますよね。
(中には「暇だ!やる気が出てきた!」という人もいるのかもしれませんが…。)
たまの暇であればリフレッシュされて良いですが、慢性的に暇だと「自分は一体何なんだ?必要とされているのか?」という気持ちが芽生えてきます。
それが仕事が楽しくないという気持ちにつながるので、暇だという人は上司や先輩、同僚に相談して何か他にできることはないか、もしくはあなた自身で他に何かできることがないかを考え、暇な時間を作り出さないことが大事です。
実際問題、仕事は忙しいのと暇なのではどちらがいいと思いますか?
仕事の満足度を上げる
これまで挙げたことをやってみても「仕事が楽しくない」人は、仕事の満足度に寄与する3つのポイントを意識してみましょう。
仕事の満足度を左右する3つのポイントを、ジョージタウン大学のコンピューターサイエンス学者であるカル・ニューポート氏が提唱しています。
・自律性(自分の労働時間を自分で管理している、自分の行動は重要である、という感覚)
・スキルの向上(仕事のスキルが上達している、という感覚)
・他人との繋がりがある(他人とつながっている、という感覚)
これらの要素があなたの仕事にあるかを考えてみましょう。
この3つのポイントがあれば、仕事が楽しくなる可能性が上がるはずです。
転職する
これまでに挙げた方法でも仕事が楽しくならない場合は、もしかすると今いる職場や会社はあなたがいるべき場所ではないのかもしれません。
もしそうであれば、一刻も早く転職し、あなたが「仕事が楽しい」と感じることのできる環境に身を置くことをオススメします。
仕事というものは苦しく辛いことがほとんどですが、何かを達成したり実現した時は楽しいはずです
そして、そのような楽しさを求めて働くことが「仕事をする意義」だと思います。
もしそういった楽しさすら感じないのであれば、貴重な時間を無駄にせず、あなたが仕事の楽しさを見出せる環境を探してみた方がいいかもしれません。
原因に合わせた対処を
改めて、仕事が楽しくない原因に合わせた改善方法を行なうことが大切です。
それにより、仕事が有意義なものになるはずです。
ただやみくもに仕事をするのではなく、「仕事を楽しめているのか」を日々意識することが大事です。
それを意識するかしないかで、数年後に無表情のまま電車に揺られるサラリーマンになるかどうかを左右することになるかもしれません。
「なぜ仕事を楽しめないのか?」という疑問を持ち、それに合わせて「どうしたら仕事を楽しめるようになるのか?」を考えて、あなたなりの改善方法を試してみてください。
それをすることで、徐々に仕事が楽しめるようになるはずです。
仕事が楽しくない時の改善方法
「好きなことを仕事にすれば楽しく働ける」と思うかもしれませんが、そうとも限らないのです。
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【解説】「好きを仕事に!」最初から仕事に情熱を求めることの危険性
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