










この記事を読んでほしい人
- 最近、仕事で凡ミスが続いている人
- もっと仕事の生産性を高めたい人
- 新しい物事を身に付けたい人
ワーキングメモリについて(働き・重要性)
ワーキングメモリとは、何かを行う際に効率的・効果的に実行するための機能(能力)で作業記憶とも呼ばれます。
ちなみに、こちらを見ればより具体的にイメージできるかと思います。
ワーキングメモリは私たちの日常生活や学習を支える重要な能力で、このワーキングメモリの働きによって、私たちは瞬時に適切な判断を行うことができるとされています。例えば、
・電話の相手から言われたこと(複数)をメモする。または記憶する
・たくさんの資料を短時間で読み込み、内容を理解する
・質問された内容を聞いて理解しながら、同時に回答を頭の中でまとめるといった作業の際にワーキングメモリは強く働いています。まさに仕事や勉強には欠かせない重要な能力といえます。
このように、仕事においてもとても重要な機能(能力)だと言え、頭の良し悪しを計る目安にもなります。
また、
オレゴン大学の研究にて、79名の男女を集めて全員の流動性知能というものを調べ、画面上に画像を複数出して覚えてもらうということを行いました。
その結果、頭が良い人は色々なものを瞬時に覚えることが得意だということが判明しました。
※ただし、画像がどの位置にあったかは不得意でした。
このことから、ワーキングメモリが優れている人の傾向がなんとなくイメージできたのではないでしょうか?
つまり頭が良い人ほど全体的ざっくりと覚え、細かい点は後から補填するような覚え方をしているということです。
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そして、ワーキングメモリは「新しいことを身に付ける」という点においても重要です。
どういうことかというと、ワーキングメモリーが優れていることは何事も上達が早いということです。
例えば、学習転移といって、自分が学んだことを基にして新しいことを学ぶことにおいては、ワーキングメモリの良し悪しによって上達速度が左右されると考えられており、練習よりもワーキングメモリの鍛錬の方が効果が高いのです。
プリンストン大学で”練習の重要性”を調べた研究があります。
これによると、練習の重要さは平均12%ほどしかなく(ジャンルによって異なる)、例えばゲームは26%ほどで音楽やスポーツは21%ほどだそうです。
そして勉強においてはたった4%ほどだということです。
ちなみに、体を使った物事において練習の重要性は高いとされ、物事を身につけるのに重要なことは”スキルを学び始めた年齢”と”ワーキングメモリ”だということです。
このことから、学習においてはワーキングメモリの強化が重要だということが分かります。
さらに、ワーキングメモリはメンタルにも影響を与えます。
ノースフロリダ大学の実験で167~79歳の男女2000名を対象に、どれくらいネガティブなことを引きずるかというアンケートを取り、加えてワーキングメモリ(短期記憶力)テストを行いました。
その結果、ワーキングメモリが優れている人ほどメンタルが落ち込みにくかったのです。
これは、ワーキングメモリが優れている人ほど気持ちを切り替えるのが上手いのではと考えられています。
また、朝に「今日はストレスが多そうだ」と予測している人ほど、実際その日にストレスを感じようが感じまいが、ワーキングメモリの機能が落ちていたという研究結果もあります。
その結果、決断力や集中力が低下し欲望にも弱くなってしまい1日を損しているということが起こっていたのです。
ちなみにワーキングメモリーの働きが良すぎるがゆえに、考えすぎによるパフォーマンスの低下が起きやすいという側面もあるそうです。
これは脳の性能が良いため、何かをやっている時に他の事を考えることができてしまうためだとされています。
鼻歌歌いながら仕事するなどしてワーキングメモリを埋めると良いようです。
ワーキングメモリの鍛え方
ここまで、ワーキングメモリとは一体どういうものなのかについて話してきました。
そこで言えることは、仕事やそれ以外のことにおいてもワーキングメモリの働きや性能がとても重要であり、そのワーキングメモリは鍛えることができるということです。
では、どのようにして鍛えればいいのでしょうか?
ここでは主3つの方法を紹介します。
運動する
瞑想する
環境を変える
この3つのことを行うことで、ワーキングメモリを鍛えることができるのです。
運動する
脳の前頭葉46野がワーキングメモリを司る部位なのですが、運動をすることによってこの部分が刺激されるそうです。
そのため、運動はワーキングメモリを鍛える方法の一つです。
ノースフロリダ大学の研究で、18歳〜59歳を対象に3グループに分けて授業を受けてもらい、3時間後にワーキングメモリーを測るテストを行ないました。
(1)座学
(2)ヨガ
(3)木登り
その結果、木登りをしたグループは1.5倍も点数が良かったのです。
参照元 あなたの頭の"キレ"を取り戻す! 木登りや平均台で"ワーキングメモリ"がアップ!? - HEALTH PRESS
ちなみに、固有受容性(自分の体の位置がどんな位置にすればいいのかと考えるもの)のある運動であれば木登りではなくと良いとのことです。
仕事が休みの日に少し身体を動かしてみてはどうでしょうか?
瞑想する
瞑想も、ワーキングメモリを鍛える効果があるとされています。
Zeidan, Johnson,Diamond, David &Goolkasianの研究によると、瞑想に関心はあるが経験はない63人の大学生を対象に週1回20分程度の以下のことを行いました。
(1) マインドフルネス瞑想(ただ考えや感覚を流す訓練)
(2)ールキンの小説「ホビット」のテープを聴く
その結果、(1)は(2)と比較して視空間の構成(visuospatial processing)や
ワーキングメモリ、実行機能の向上が有意でした。
このことからも、瞑想にはワーキングメモリを向上させる効果があると言えるでしょう。
瞑想には他にも様々なメリットがあります。
環境を変える
環境を変えることでもワーキングメモリにポジティブな作用を促します。
例えば、室温を変えるだけでもワーキングメモリーを向上させる効果があります。
2004年のコーネル大学の研究で、ある職場の20度から25度に上げたところ被験者のタイピングエラーが減少し、仕事量が2.5倍になったのです。
つまり、温度変化を体感することで、ワーキングメモリが刺激されるのだと考えられます。
参照元 Study links warm offices to fewer typing errors and higher productivity - CORNELL CHRONICLE
このことから、室温を上げ下げすることでワーキングメモリに刺激を与えると良いでしょう。
ちなみにあることをしてしまうと、ワーキングメモリは低下するのです。
不調を感じたら
「最近ミスや失敗が重なるなぁ…」と思ったら、ワーキングメモリの低下を疑ってみましょう。
ここまで話したように、特に仕事においてはワーキングメモリが果たす役割はとても大きなものです。
そのためワーキングメモリの働きが弱まっていると、思いがけないミスや失敗を誘発してしまいます。
もしワーキングメモリの低下を感じたら、運動や瞑想をしたり、ちょっと環境を変えるなどしてワーキングメモリの改善を試みてください。
仕事で悩みがあるなら、適切かつ効果的な対処法を講じなければいけません。
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