














ポイント
- 仕事中、眠気に襲われる人
- 午後にかけて仕事の生産性が落ちていってしまう人
- 昼寝をしているけどボーっとしてしまって逆効果だという人
昼寝の効果とは?
「仕事中に昼寝」というと、サボっているという印象を持つ人は少なくありません。
仕事をして疲れて眠くなるというのは生理的な現象であり、いたって普通のことですが、眠気を我慢して(眠気を解消せずに)仕事に励むことは果たしてどうなのでしょうか?
結論としては、昼寝をしてから仕事に励む方が良いということです。
というのも、アメリカの国立睡眠財団(National Sleep Foundation)が運営するSleep.orgでは眠気や睡眠不足を伴って仕事をすることに関して、以下のような報告しているからです。
29%の社員が職場で眠気を感じたり実際に眠りに落ちてしまった経験があり、また睡眠不足が年間で$63Bドル相当のアメリカ企業の生産性低下に影響していると報告されている。同じく国立睡眠財団による2018年のアンケート結果報告書では、睡眠不足の中で効果的に仕事を進められると答えた回答者はたった46%程度で、下記資料の通り睡眠の質が日々の活動の効率性を左右する原因になっていると指摘されている。
また、このことに気づきだした企業においては、昼寝を推奨し始めているようです。
Inc.によると、2015年9月時点で約6%の雇用主が自社内でナップルームを持っているようで、これは2008年の1%から成長が見られる数字だ。
NikeやGoogle、Uberといった企業が昼寝を福利厚生の一部として取り入れているように、昼寝は仕事に好影響を及ぼすのではないでしょうか。
もしその日は徹夜で仕事をしなければいけないのであれば、昼寝で夜の業務効率も高めることができます。
しかし一方で、「本当に昼寝は仕事に好影響を与えるの?」と思う人もいるかもしれません。
それについては、以下の実験結果を見ると納得がいくかと思います。
米国のファーマン大学が行った実験にて、26名の学生を対象にある短い物語を記憶してもらいました。
そして彼らには以下の2つパターンに分け、15分後に先ほど記憶してもらった短い物語の記憶テストを行いました。
1.目を閉じて休んでもらった
2.15分間気が散るような作業を行ってもらった
その結果、1の目を閉じて休んでもらった学生たちの方が、先ほど記憶した物語をよく覚えていたのです。
参照 Resting state EEG correlates of memory consolidation - Science Direct
この結果について研究者は、睡眠や休憩の間は周囲に注意を向ける必要がなくなるおかけで、私たちの脳は余計な情報を吸収することがなくなり、それによって記憶を強化することにつながるとのことです。
また、休憩中でも精神活動は止まることはなく、目を閉じて休んだ参加者は、作業をしていた参加者よりも、豊かで多様な精神活動を体験していたとも話しています。
つまり、昼寝をすることで頭の中が整理され、効率的に思考できることにつながるのです。
こちらでも話していますが、計画的なサボりは仕事の生産性を高めます。
効果的な昼寝の仕方
ここまで、昼寝が仕事に好影響を及ぼすということについて話してきましたが、ただ昼寝をすればいいのでしょうか?
もちろんそれでも効果はありますが、より効果的な昼寝の方法もあります。
それは、コーヒーを飲んだ直後に昼寝をすることです。
「コーヒーを飲んだら頭が冴えて昼寝できないのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、コーヒーに含まれるカフェインは脳に届くまでに約20分かかるため、ちょうど起きるタイミングでカフェインが脳に届き覚醒効果を得ることができるのです。
コーヒーとお茶を同時に摂ると集中力がUPするという研究結果もあります。
ちなみに、脳が疲労を感じるのはアデノシンという物質が原因で、これによってぼんやりとして眠気に襲われるのですが、カフェインにはこのアデノシンを除去する効果があるのです。
脳内のアデノシンレセプターにアデノシンはまることで疲れを感じるようになるのですが、実はカフェインはアデノシンと形が似ており、アデノシンレセプターにカフェインが代わりに蓋をすることで、脳が疲れを感じにくくなるのです。
したがって、昼寝前にコーヒーを一杯飲み、そして20分ほど昼寝をすることで、脳の疲れも解消し、寝起き後すぐに行動できるようになるわけです。
昼寝は仕事の武器
かつては(未だに?)昼寝はサボりの象徴でした。
しかしこれからは、昼寝は仕事の武器になるのではないでしょうか。
睡眠は頭や体はもちろん、精神の状態を良くしてくれ、それによって生産活動に大きな影響を与えてくれるものだということが認識されてきています。
それにより、今後は”上手な睡眠”ができる人ほど仕事で良いパフォーマンスをすることができるようになると思われます。
そのため、昼寝をうまく使いこなせるようになることをオススメします。
眠気を抱えたまま仕事をすることは生産性を下げますが、座ったまま仕事をすることも生産性を下げます。
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