この記事を読んでほしい人
- 今の上司が最悪だという人
- 上司との関係性が良くない人
- 自分に力があれば上司なんて関係ないと思っている人
上司ガチャがきわめて重要な理由
良い上司の下で働けば仕事はハッピーになる一方、悪い上司の下で働けば毎日の仕事が辛いものになるでしょう。
そういう意味で「上司ガチャ」は重要だと言えます。
しかし、上司ガチャによってアタリを引くかハズレを引くかで具体的にどのような影響があるか知っていますか?
実はこんな研究結果があります。
サンディエゴ州立大学の研究によると、リーダー(上司)との関係性の良し悪しによって抱えるストレスの度合いが決まります。
また、仕事の成果の7割程度は上司との関係が左右しているのです。
そしてさらに、上司との関係性が良い場合には、そうでない場合に比べて職場だけに留まらず家庭などプライベートで抱えたストレスまで軽減されます。
加えて、上司との関係が良いと、それは個人間を超えてオフィス全体の雰囲気や文化にまで好影響を与えます。
つまり、上司ガチャにハズレて嫌な上司やダメな上司が自分の上に就いてしまうと、仕事でストレスを抱えるだけに留まらず、プライベートや職場全体にも負の影響が及んでしまう可能性があるということです。
また、10職種135名の男女を対象にインタビューを行い、「意味のある仕事とは?」について調査したところ、悪い上司の下で仕事をすると仕事のやりがいが失われるという結果も出ています。
(ちなみに良い上司の下で仕事をしても仕事に意味を感じることはないそうです…。)
このことから、自分が好きでやりがいを感じる仕事であっても、上司如何によっては仕事のやりがいも感じられなくなってしまうということです。
それから、2018年にニューサウスウェールズ大学で行われた研究ですが、ここでは転職を控えた45歳~50歳のビジネスマン6870人を対象に仕事の満足度を調べ、その後5年間追跡した上で経過調査を行いました。
その結果、以下の様な状況に置かれている人ほどメンタルが悪化していたのです。
- 仕事のペースが早すぎる(残業しても追いつかない)
- 仕事の内容が矛盾している(他人が不幸にならないと自分が儲からない)
- 同僚や上司が気難しすぎる
- 仕事の量が多すぎる
- 自分の仕事に対する決定権がない
ここまでに示したように、どんな上司の下で仕事をするかによって自分に与える影響がいかに大きいのか分かったのではないでしょうか。
これこそが、上司ガチャはサラリーマンにとってきわめて重要な理由だと言えるのです。
最悪な上司を引いてしまったら…
上司ガチャとは、転職や転勤、部署移動の際に発生します。
その際、良い上司の下に就ければいいですが、一方で最悪な上司の下に就いてしまったらどうしたらいいのでしょうか?
上司ガチャでハズレを引いてしまった場合は、「上司の機嫌を取ることに努める」ことをオススメします。
ハズレ上司の機嫌を取るなんてとんでもないと思うかもしれませんが、これが上司から悪評を付けられたり、嫌がらせ、意地悪といった行為を回避する方法になります。
「『権力』を握る人の法則 - ジェフリー・フェファー (著)」で、こう書かれています。
著名なコンサルティング会社LECGのCEOマイケル・ジェフリーは、在任期間を通じて赤字続きだったにもかかわらず、まる3年にわたってCEOの座を維持した。
上司がご満悦であれば、仕事の出来不出来はさほど問題ではないということである。逆に上司を不快にさせたら、いくら実績があっても首は危うい。
立派な業績を上げればご機嫌取りなどしなくても自ずと上に行けると考えるのは、多くの人が犯しがちな重大な思い違いの一つである。
このことは、仮に仕事で良い成果を上げたとしても、特に悪い上司の下では機嫌を取っていなければ良い処遇を受けることは難しいということです。
ちなみに、「悪い上司だとしても仕事で良いパフォーマンスを上げようと頑張れば認めてくれるはず」と仕事に打ち込む人は少なくありませんが、実はこれは逆効果なのです。
それについて「ORIGINALS 誰もが『人と違うこと』ができる時代 - アダム グラント (著)」でこのように書かれています。
製造業、サービス業、小売業、非営利といった分野を対象に行われたある研究では、従業員が上司に向かってアイデアや問題を頻繁に意見すればするほど、2年以内に昇級や昇進を受ける可能性が低くなっていた。
道徳の高みを目指して階段を登っていくと、上り詰めたその先には孤独が待っている場合もあるのだ。
残酷ですが、これが現実なのかもしれません。
仕事を評価されないのはこんな理由かもしれません。
もし仕事のやる気を訴えたいのであれば、新たなアイデアを訴えるよりもアドバイスを求める方が良いかもしれません。
このことについて「GIVE & TAKE『与える人』こそ成功する時代 - アダム グラント (著)」でこのように書かれています。
アドバイスを求めることは、ゆるいコミュニケーションの一形態である。誰かに何かを聞くということは、自分の自信のなさを伝え、弱さを見せることだ。ということは、自分の自身のなさを伝え、弱さを見せることだ。
我こそ答えがすべてわかっていると自信たっぷりに話すのではなく、ほかの人の方が自分よりも知識があることを認めている。
調査では、知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司の受けがいいことがわかっている。
研究者のリルジェンクウィストによれば、人にアドバイスを求めることには4つのメリットがあるという。それは、①情報の獲得、②自分の身になってもらえること、③相手との関わり合いが強められる、④ゴマすりである。
ハズレ上司だとしても、その上司に対してアドバイスを求めることで好意を獲得できるかもしれません。
ただ、もしどうしても上司に納得できず、自分の活躍の場を求めるのであれば、違う場所を探した方が良いでしょう。
私達たちにできることは何かというと、声を上げつつ、リスク・ポートフォリオを安全に保ち、必要であれば立ち去るために準備をしておくことだ。
上司自身が成長し、考えを変える余裕がある場合は、同じ組織に留まって発言するという選択肢もあろう。しかし上司に進化がなく、聞く側も考えを変える気がない場合は、別の組織でよりよいチャンスを見つけられるかもしれない。
上司ガチャでハズレを引き、何も思い通りにいかなくとも、そこに留まるか逃げるかは自分に選択権があります。
ハズレを引いた時こそ人間力が試される
サラリーマンであれば、誰しも上司ガチャを引くタイミングがあります。
そして、ハズレを引いてしまった時こそ自分自身の人間力が試されると言えるでしょう。
ダメな上司、クソな上司というのはどの会社にもいるものです。
そんなハズレ上司にの下で仕事をすることになった時、どのように立ち回り、どのように仕事で成果を上げ、どのように最悪な上司から評価を勝ち取るかという高難易度ゲームに突入していくのです。
ハズレ上司の下で仕事をすることで何度も心が折れそうになることがあるかもしれません。
しかし、そのゲームをしていることで自ずと自分のレベルは上がっていくはずです。
今の上司の下で仕事をしたくないのであれば辞めるのも一つですが、タイミングは計りましょう。
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