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それでは、「自己PRでは経験や実績が不要である理由とその場合の自己PRの方法」について解説していきましょう。
この記事を読んでほしい人
- 面接で自己PRをどう伝えればいいか分からない
- 特に経験や実績を持っているわけではない
- 異業界・異職種での転職を考えている
なぜ自己PRでは実績や経験が必要ないのか?
まずはこちらの実験についてご覧ください。
2012年にハーバード大学で行なわれた実験で、学生を集めて就職活動に対する架空のシナリオを想像させました。
そして企業の面接官になったところを想像して、下記の2つのグループでどちらのほうが印象が良いのかを判定したのです。
(1)達成グループ(すでに2年間の職歴も必要な資格も持っていてリーダーシップテストでも高得点を取っていて既に有している経歴を紹介されたグループ)
(2)ポテンシャルグループ(仕事の経験こそないがリーダーシップテストでは高得点を取っていて可能性は期待できると紹介されたグループ)
その結果、「どちらを採用したいと思いますか?」という問いに対して、「職歴のある人よりも未知の可能性」を重視して(2)のポテンシャルグループの方が人気だったのです。
参照 The Preference for Potential ー Digital Access to Scolarship at Harvard
普通に考えると、何かしら経験や実績を持っている人の方が印象が良い気がします。
しかし、この実験で示しているのは「経験や実績を持っていない人の方が印象が良かった」ということです。
※両方ともリーダーシップテストで高得点ということから、基本的な人間性などは備えているという前提になります。
この実験以外にも、起業家が投資を募るにあたって、過去の実績を踏まえたプレゼンより実績はなくとも未来に対する可能性をプレゼンした方が投資家からの出資を得る確率が高いという研究もあります。
ちなみに、「これは若い人が対象にした実験なのではないか?」という疑問もあるかと思います。
しかしこれらの実験では年齢の部分も考慮しており、その要因となる可能性は排除しています。
ではなぜこのようなことが起きるのでしょうか?
面接においては、自己紹介も何を話すかは重要ではないのです。
過去よりも未来
それは、人は過去の経験や実績よりも、未来の可能性に対して期待するからなのです。
研究者いわく、「将来の成功というものは、既に実証された成功と比べて”不確か”なため人の興味を惹きつける」のだそうです。
人間の脳は不確かなものに遭遇すると、それを理解しようと注意を払います。
その結果、より長時間、より綿密に脳内処理をすることになります。
つまり「潜在能力がある志望者は、実績がある志望者よりも面接者を深く考えさせるため」、この深い思考が無意識的にその人物への好印象につながりうるのだそうです。
ただし、あくまでもその人の「情報が好ましいものである=人間的に信用できそう」な場合にのみ有効になります。
ちなみに他の研究では、志望者が高い潜在能力を持っていることが示されても、その裏付けが乏しい場合は実績ある志望者の方がはるかに好まれたそうです。
何も取り柄がなくても面接をうまく切り抜ける人というのはいます。なぜなら彼らは笑顔と服装で…?
どのように自己PRすればいいのか?
それでは、先ほどの点を踏まえると「どのような自己PRが有効」なのでしょうか?
それは「将来にフォーカスした自己PR」なのです。
将来に対するアピールをすることで、面接官からの評価(印象)も良くなるはずです。
では、「将来にフォーカスした自己PR」とはどのようなものなのでしょうか?
自分の短所すらもアピールに変えることが可能です。
「将来にフォーカスした自己PR」とは?
具体的には、次の2つを踏まえた自己PRが効果的であると考えます。
何をしたいのか?
どうなりたいのか?
「何をしたいのか?」と「どうなりたいのか?」です。
このいずれかを盛り込んだ自己PRをすることで、面接官にあなたの将来をイメージさせることにつながります。
では、具体的にどのようにすればいいのかそれぞれみていきましょう。
面接においても錯覚資産を活用する人ほど評価を得られます。
何をしたいのか?
このように、その会社に入って「何をしたいのか?」ということについて話してみましょう。
ただし単にやりたいことだけを口にするだけですと、「何も考えていない人」という印象を持たれてしまいます。
そのため、その事業や企業、業界のことを踏まえた上で、論理的に伝えることが必要です。
面接って、緊張してうまく言葉が出なくなりますよね。
どうなりたいのか?
このように、その会社で「どう変化したいのか?」ということについて話してみましょう。
これも先ほどと同様になりますが、「部下を持つ役職に就きたい」とか「事業部長を務められるようになりたい」と脈絡なく言っても意味がないので、どんなことを成し遂げた上でそうなりたいのかを伝えることが大事です。
面接の準備は色々面倒ですが、基本的にこの2つを押さえておけば大丈夫です。
2つのポイントを打ち出した自己PR
今紹介したように、2つのポイントを打ち出した自己PRを行なうことが重要です。
これらは、どちらも将来の希望的展望(ビジョン)を伝えています。
ビジョンを具体的に伝えることで、「経験や実績が無いにも関わらず可能性を感じる」という矛盾が生じ、それが「不確かさ」となって相手の興味を惹きつけるのです。
ただし、ビジョンは”具体的に相手がイメージしやすいように”解像度を高くしましょう。
なぜなら、それが経験も実績も無いあなたのビジョンを「裏付け」してくれるからです。
自己PRと同じくらい志望動機の回答にも悩みませんか?
自己PRの例文
ここでは、先ほどお伝えした2つのポイントを踏まえた自己PRの例文を紹介します。
「経験も実績もない」という人は、ここで紹介する自己PRを参考に面接に臨んでみてください。
面接が不安で仕方がないという人はこちらをご覧ください。
「何をしたいのか?」を打ち出した例文
私が御社に入社させていただいた際には、現在御社のサービスがまだ展開されていない九州もしくは東北エリアの市場開拓に携わりたいと考えております。
現在、御社のサービスにおいては今挙げたエリア以外では割と展開しており、マーケットシェアの拡大も順調だとお見受けしております。
そのため、一定の満足度が得られている御社のサービスであれば未開拓のエリアでも認知向上さえすれば、自ずと展開していけるはずです。
そこで、私としては御社のサービスを全国規模にすべく、未開拓エリアである九州もしくは東北エリアの市場開拓に努めたい所存です。
ここで重要なことは、あなたがしたいことを面接官に具体的にイメージさせることです。
面接官にイメージさせることは、すなわちあなたの可能性をより大きく感じさせることにつながります。
そのため、その会社やサービスの状況を踏まえ、その上で自分がやりたいことを細かく伝えることが重要になります。
「どうなりたいのか?」を打ち出した例文
私が御社に入社させていただいた際には、介護業界における採用のスペシャリストになりたいと考えております。
介護業界は人材獲得が難しい業界である一方で採用意欲が旺盛です。
そのため、介護業界の採用スペシャリストになることで、大きなニーズを引き出せるはずです。
そして私としましては、まず介護業界の内情を把握するとともにITの活用を検討しています。
なぜなら、数多くある業界の中でもIT活用において介護業界はかなり遅れをとっているからです。
IT活用した採用ができれば介護業界での採用ニーズを満たせると考え、この業界でのスペシャリストを目指したいと思います。
ここで重要なことは、あなたがなりたいことに対してどのようなステップを踏むのかを伝えることです。
ただ単になりたいイメージを伝えただけでは、面接官があなたに可能性を感じることには至りません。
そのため、なりたいイメージへの具体的な段階を示すことが重要になります。
面接でよく訊かれる「苦労したこと」に関する例文はこちら。
ビジョンをアピールする
最も重要なことは「この先あなたが目指すこと」です。
経験や実績があるに越したことはありません。
しかし人というのは、過去よりも未来に思いを馳せる生き物です。
それはつまり、ビジョンによって感情を動かされるということなのです。
自己PRでは、自分の未来に対する”具体的なイメージ”を伝えてみましょう。
面接に臨むのであれば、転職エージェントに面接指導を依頼するのもオススメです。
転職活動で重要なことは時間を作り出すことです。
一方で、企業探し、書類作成、応募対応、面接調整と、転職活動においてやるべきことは多いものです。
しかしそれらを転職エージェントに任せれば、応募から内定後の対応まで全て彼らが対応してくれます。
どうしても自分一人で転職活動をするとなると、全て自分一人でしなければいけません。
そのため、転職エージェントを使って転職活動することで極力負担を減らすことができるようになります。
ただ、ひとえに転職エージェントといっても、「求人数が多い」「新卒・第二新卒向け求人が多い」「高年収の求人を扱っている」「専門職系の求人を扱っている」「地方求人が多い」など、各転職エージェントによって特徴や強みはバラバラです。
したがって、これらを理解した上で”自分の状況に合った”転職エージェントを活用することで、満足のいく転職を叶えることができます。