ただ、ほとんどの人は「転職=キャリアアップ」と捉えることから、転職したら年収が上がるのが当然だと考えます。
- 年齢の兼ね合いで転職先がない
- 希望する年収の求人の応募条件を満たせる経験やスキルがない
- 年収は上がるものの、その分残業が増えて休日も少なくなりそう
この記事を読んでほしい人
- 現職の年収が低い人
- 転職を考えている人
- 年収を上げたい人
年収を下げることで、結果的に年収が上がる転職
先ほども話したように、年収を上げたいと望んだとしても、年齢や経験・スキルの問題から、年収UPを叶える転職自体が難しいという人は少なくないでしょう。
しかし、そこで燻っていても絶対に年収が上がることはありません。
そこで有効な手段となるのが、「年収を下げる転職」なのです。
しかしこのことを理解するためには、年収の仕組みをまずは理解しないといけません。
年収が決まる仕組み
基本的に年収とは、以下の3つで決まります。
①経験
②企業
③業界
まず、その仕事における①経験によって年収は異なります。
例えば営業の仕事をしている人であれば、契約や販売といった営業実績を積みあげることでそれが評価され、年収が上がります。
また、②企業ごとにも年収水準は異なります。
Aという会社の年収水準が400万円であるのに対して、Bという会社の年収水準が500万円であれば、同じ経験値・同じ能力の人だとしても、Bという会社にいる方が自ずと年収は高くなります。
そして、③業界ごとにも年収水準が異なります。
仮にAという業界の年収水準に対して、Bという業界の年収水準が高い場合、同じ在籍年数や同じ経験値だとしても、A業界にいる人の年収が400万円である一方、B業界にいる人の年収は600万円ということがあります。
このように、年収というのは①経験と②企業と③業界によって決まります。
お金だけを優先して転職すると、転職に失敗してしまうかもしれません。
業界を移動する
前のトピックで年収の仕組みについて解説しましたが、転職において、ほとんどの人は①経験×②企業に留まります。
しかし、年収を変化がもっとも大きいのは業界を変えることなのです。
例えば、マイナビ転職の『2021年版 業種別 モデル年収平均ランキング』を見るとインターネット関連の平均年収が547万円なのに対して、繊維・アパレルの平均年収は482万円です。
一方で、仕事の経験や在籍企業における年収幅はもっと小さく、役職に就いたり、インセンティブ(報奨金)を手にしない限りは、100万円近く年収を上げることは難しいでしょう。
つまり、今いる業界よりも年収水準が高い業界に移ることが、年収を上げるために必要なことなのです。
業界もそうですが、あまり自分の適正にとらわれないようにしましょう。
年収を下げるのはあくまで戦略
では、なぜ年収を下げることが必要なのでしょうか?
それは、年収の高い業界に移るための戦略となり得るからです。
異業界に移る場合ネックになるのは、その業界における経験です。
どうしても業界未経験者に対して、いきなり高い年収を提示することはためらいます。
そのため、年収を下げることが有効なのです。
年収を下げることで、その業界に入り込む難易度は下がります。
加えて、業界に入り経験を積みさえすれば、自ずと年収は上がりやすくなるはずです。
(業界の年収水準が高ければ、年収の上り幅も大きいため。)
したがって、年収を下げてでも年収水準の高い業界に転職することで、中長期的に見れば年収を上げる大きな可能性(余地)を手に入れることができるのです。
一方で、「その業界で成果が出なかったら?」という疑問もあるでしょう。
しかし、年収水準の高い業界というのは、概して伸びている業界だったりします。
そのため、それなりに真面目に仕事に取り組んでさえいれば、業界の波に乗れるため、未経験だとしても成果は出しやすいものです。
加えて年収を下げて転職することで、求められる成果に対するプレッシャーが緩和されます。
ビジネスにおいて価格を下げるということは、そこから得られる成果の期待値も下がるということです。
つまり、年収交渉において(下がることに)譲歩することで、仕事の成果を出すまでの猶予期間を設けられることだと言えるでしょう。
仮に異業界からの転職者だとしても、その業界水準の年収を担保するということになれば、企業から求められる成果もそこで働く業界経験者と同等のものになります。
しかし、成果を出すまでの猶予期間が設けられれば、過度なプレッシャーを感じずに経験を積めるのではないでしょうか。
異業界からの転職においては、いかに効果的に経験を積めるかの方がその後のステップアップにつながるはずです。
このようなことからも、年収を下げて転職することは自分の優位性を上げることにつながります。
転職に成功する人とは、一体どんな人だと思いますか?
業界と会社選びが大事
ここまで、年収を下げる転職が結果的に年収を上げるということについて話してきました。
しかし、「年収を上げたいから年収水準の高い外資系金融かコンサルティング業界に行こう」と安易に考えてはいけません。
概して年収の高い業界というのは、その業界のスペシャリストだったり、極めて優秀な実績を持っている人だったり、優秀な人との人脈を持っている人しか採用していません。
そのため、現状の自分の経験・スキルを照らし合わせた業界・企業選びがとても重要になります。
転職に際してはあまり自分の適正に拘らない方が良いでしょう。
業界選び
業界選びについては、今の自分の経験も活かせる可能性のある業界を狙う必要があります。
例えばアパレルの販売をしている人であれば、接客経験を営業職に活かすことができます。
そこで、アパレル業界(平均440万円)よりも年収水準が高く、未経験でも営業職を採用しているような業界が狙い目となるわけです。
そこで候補として考えられるのは、インテリア・住宅関連(平均522万円)や人材派遣・人材紹介(平均529万円)、インターネット関連(平均529万円)などがあります。
今はどこの業界も人手不足という背景もあり、その業界である程度の経験・実績を積んできた人であれば、業界未経験者でも採用する企業は多くあります。
そのため、まずは年収が上がる業界をピックアップし、その上で自分の経験を活かせる(チャレンジできる)業界を絞り込んでいくことがポイントです。
業界選びは慎重に行っていきましょう。
企業選び
企業選びについては、大手以外を狙う方が可能性は高いでしょう。
仮に自分の業界における経験が活かせる異業界であっても、大手企業はやはり競争率が高くなります。
そのため、その業界での経験者が優先されることは仕方がないことです。
しかし多少ランクが劣る企業であれば、異業界からでも転職できる可能性はあります。
やはり大手に人が集まる一方で、中堅~下位企業においては採用に苦労しているため、業界経験を問わず採用している企業も多いです。
そしてそのような中堅~下位企業で数年業界経験を積むことで、そこから大手企業への道が開かれます。
応募する企業の情報収集をしっかりするようにしましょう。そのやり方はこちらをどうぞ。
目先の利益にはとらわれないことが大事
転職となると、年収に固執してしまいます。
もちろんそれは当たり前ではあります。
しかし、目先の利益よりも将来得られる利益に視点を合わせた方が、結果的には得をします。
僕自身、同業界ではあるものの、大手企業から地方中小企業に転職したのですが、やはり当初は年収は下がりました。
しかし、数年仕事に励み実績を積んだことで、大手企業にいた時よりも年収は150万円ほど上がり、加えて残業時間も月40時間~60時間から2時間~3時間に減りました。
このように、直近の年収は下がったとしても、それ以上に経験や挑戦機会を得られることで、結果的に年収を上げることは可能なのです。
だからこそ年収が下がる転職をすることで、より大きなチャンスを掴むことをオススメします。
転職においては、あなたに仕事を紹介してくれるエージェント選びが極めて重要です。
転職をする場合、多くの人は転職サイトで求人を探します。
ただし自分一人だと、多くの求人をの中から自分の能力や経験、条件に見合う求人を探し、さらに面接日程の調整や労働条件、給与の交渉までを行うのはとても時間と労力が掛かります。
一方で転職エージェントに任せれば、数十~数百社もの求人からあなたに最適な求人を紹介してくれます。
また、応募書類の添削、面接日程の調整、労働条件や給与の交渉と全てを行ってくれます。
そのため、普段仕事で忙しくてもスムーズに転職活動に励めます。
ただ、ひとえに転職エージェントといっても、「求人数が多い」「新卒・第二新卒向け求人が多い」「高年収の求人を扱っている」「専門職系の求人を扱っている」「地方求人が多い」など、各転職エージェントによって特徴や強みはバラバラです。
したがって、これらを理解した上で”自分の状況に合った”転職エージェントを活用することで、満足のいく転職を叶えることができます。