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- 面接を受ける予定がある人
- 先日受けた面接が圧迫面接だった人
- 「圧迫面接って何?」という人
目次
圧迫面接を行う企業を辞退すべき理由
一昔前と比べると圧迫面接を行う企業は減ってきたような気がします。
おそらくそれは、圧迫面接の効果に疑問を感じる企業が増えてきたからだと考えられます。
しかし、それでもまだ圧迫面接を行う企業は存在します。
もし、あなたが面接を受けた企業において圧迫面接をされたのであれば、辞退すべきです。
なぜなら、以下の3つの理由があるからです。
圧迫面接は効果がない
圧迫面接は企業にとってリスクとなる
圧迫面接は転職者の意向を低下させる
この3つの理由から圧迫面接を行う意義はなく、むしろその企業にとってマイナス要因が大きいのです。
つまり、採用選考というものを通じて自らネガティブな結果を招く行為に走るような企業にわざわざ入るのは果たして賢明なのでしょうか?
そうは思いません。
現代においては危機意識を高く持っている企業ほど生存の可能性が高いため、圧迫面接によるリスクを考慮できない企業へは転職する価値があるとは言い難いのです。
ということで、3つの理由それぞれについて解説していきましょう。
圧迫面接は効果がない
圧迫面接には効果はありません。
元々、アメリカで開発された面接手法(stress interview)で、ストレス下での対応力を測るためのものです。
しかし面接とはそもそも、その人の考えや人となりを見るためのものであるため、ストレスを与えてしまっては相手は委縮してしまい、本来の姿をむしろ見えづらくしてしまう可能性が高いと言えます。
というのも、”心理的リアクタンス”といって、人は自由を失う可能性に対して反発を持ちやすく、抑圧や強制されていると思うと反発的な行動をとってしまうのです。
また、相手の本音を引き出すことを目的とする場合もありますが、カリフォルニア大学バークレー校の心理学者リアナ・テン・ブリンク博士曰く、意識して嘘を見破れる確率は50%ほどしかなく、むしろ見破ろうと意識すればするほど見誤ってしまうのだそうです。
したがって、圧迫面接によって期待されている効果を得られることは少ないどころか、むしろ非効率だと言えるでしょう。
つまり、圧迫面接とは効果がない行為に時間を費やすことでしかありません。
圧迫面接どころか、そもそも面接にはあまり意味がありません。
圧迫面接は企業にとってリスクとなる
圧迫面接を行うことは企業にとって非常にリスキーな行為です。
度を越した発言や態度が表出すれば面接者が訴訟に踏み切る可能性があるのはもちろんですが、それ以前に現代においては評判を失墜させる可能性がきわめて高いと言えます。
「転職する会社の口コミを確認すべき4つの理由と確認する方法【解説】」でも話していますが、今は企業の評判がネット上に流布される時代です。
真偽が疑わしい情報に溢れているのはもちろんですが、その企業の求人への応募を検討するにあたって口コミサイトを覗く人はどんどん増えています。
そのような状況において、圧迫面接は大いに悪評を広め、有望な人材獲得の機会損失のきっかけになります。
そのため圧迫面接には、いわゆるレピュテーションリスク(風評リスク)を自ら招きかねない可能性が高いのです。
つまり、圧迫面接は企業が自らの評判を下げてしまう行為なのです。
口コミ以外にも企業の見るべきポイントはあるのですが、知っていますか?
圧迫面接は転職者の意向を低下させる
圧迫面接によって面接者の意向を低下させてしまいます。
その企業に期待を持って応募した転職者にとって、面接におけるネガティブな印象はギャップとなって面接後にも残ってしまいます。
頭では「あくまで面接での出来事」と解ってはいても、もしかすると抑圧的な企業風土でパワハラを受けてしまうんじゃないかという印象を持ってしまうでしょう。
実際に、人は印象によって大きく左右されるものであり、特に具体的な情報がない状況においては印象で判断する可能性が高いのです。
また本来、圧迫面接を行う場合には、面接の事前ないし事後に「高ストレス下での対応を見るために行う(行った)」旨を面接者に説明する必要があるのですが、そうした対応をする企業は滅多にありません。
そのため、もし圧迫面接を通過して内定が出たとしても、その面接で受けたネガティブな印象が尾を引き、結果的に辞退となってしまうのです。
それゆえ、やはり圧迫面接は企業が自ら有望な人材の獲得を放棄することと言えるのです。
もし圧迫面接をされたら…
ここまで圧迫面接を行う企業を辞退すべき理由について話してきましたが、実際に圧迫面接をされたとしたらどうしたらいいのでしょうか?
おそらく、ほとんどの人は緊張して口ごもってしまったり、整合性のない回答をしてしまったり、ひどい場合は泣いてしまう人もいるでしょう。
しかし面接とはあくまで対等な者同士の確認の場であるため、圧迫面接で威圧することは前提として間違っています。
そのため、圧迫面接に異を唱えることは双方が対等な立場ということに立ち返るのであれば、やむを得ないことだと思います。
圧迫面接をされた際の対処法
それでは、圧迫面接をされた場合にはどのように異を唱えればいいのでしょうか?
これはあくまで僕個人の意見なので、実際に圧迫面接を受けた場合の対処として行うか否かの判断はお任せしますが、ここでは3つの対処法を提案します。
それがこの3つです。
圧迫面接を行う意図を尋ねる
退出・辞退をする
企業にクレームを入れる
それではこれらについて説明していきましょう。
圧迫面接を行う意図を尋ねる
先ほど「本来、圧迫面接を行う場合には、事前ないし事後にその旨を伝える」ということを話しましたが、圧迫面接には何らかの意図があるものです。
したがって、圧迫面接に対して疑問を感じるのであれば、面接の最後に圧迫面接を行った意図を尋ねるのは何らおかしいことではありません。
一方で、企業側は「圧迫面接を行ったつもりはない」という反応をするかもしれません。
その場合には、自分自身が圧迫面接だと感じたこと、その上で何かしら狙いがあるのだと考えたことを率直に伝えましょう。
もし本当に何の意図もなく圧迫面接をしたのであれば、その企業の従業員には他人に対して高圧的な態度であることも予想できるでしょう。
そしてそれ自体、もし内定をもらった場合にその企業に入社するか否かの判断材料になり得るはずです。
そもそも面接前に怪しい企業を見分けられると良いですよね。
退出する
圧迫面接では、あまりに威圧的・高圧的な対応をされるがあまり、ショックを受ける可能性も考えられます。
そのような場合は、退出しましょう。
ショックを受けて受け答えもままならない状態では面接を続行することも困難ですし、引き続き他の企業を受けていく中で面接がトラウマとなってしまえば元も子もありません。
一つの企業の面接でトラウマになるくらいであれば、「これは無理だ」と思った時点でその場から逃げることは自己防衛の範疇だと思います。
面接とは監禁された状態ではありませんし、あくまで交渉の場です。
一方が「交渉決裂だ」と判断したのであれば、席を立つことはなんらおかしいことではありません。
面接とはお互いが交渉テーブルにつくことだと言えます。
企業にクレームを入れる
度を越えた圧迫面接だと思った場合は、クレームを入れるのも一つの手です。
というのも、中には企業としてではなく、個人的な裁量で高圧的・威圧的な面接を行う面接官もいるのです。
そのため、企業は面接官がどのような面接を行っているかを把握していない場合も往々にしてあります。
しかしだからと言って、面接者に対して意味もなく威圧したり、貶めるようなことを行っていいわけではありません。
そして、そのような従業員の行為に対する責任は企業にあるわけですから、圧迫面接で酷い扱いを受けたと感じたのあれば企業に対してクレーム(説明を求める)を行うことは真っ当な行為です。
しっかりした企業であれば先ほども話したレピュテーションリスクを考慮して、真摯に謝罪をしたり、圧迫面接の意図を説明してくれるはずです。
面接者が、将来的にその企業の顧客や取引先となる可能性のあることをわきまえていれば、ぞんざいな扱いをすることはないでしょう。
一方で、自分たちの非を認めない企業も世の中には存在するものです…。
果たして圧迫面接なのか?
この記事では圧迫面接に関して話してきましたが、「これは圧迫面接なのか?」と疑問に思うような状況も面接においてはあるでしょう。
鈍感な人で合ったり、面接官の面持ちが柔らかいがために圧迫面接と認識できない場合や、逆に面接官が強面だったり、声が大きいがために圧迫面接のような感じてしまう場合も考えられます。
そのため、実は圧迫面接だった(圧迫面接ではなかった)ということもあるのです。
そのため、ここでは圧迫面接の特徴について紹介していきましょう。
圧迫面接には主にこのような特徴があります。
発言や経歴を否定される
態度が悪い
詰問される
このような行為が見受けられる場合は、それは圧迫面接の可能性が高いと言えます。
発言や経歴を否定される
そもそも大人のコミュニケーションにおいて、相手の言動に対して否定から入ることは幼稚な行為です。
もし異論があるなら、(特に初対面であれば)自身の考えを伝えた上で相手の考えを尋ねるのが真っ当でしょう。
また、「面接の場で”趣味”を尋ねてくるような企業は辞退すべき!【理由】」の中でも話したように、面接においては以下のような考え方が前提としてあります。
採用選考に当たっては
・応募者の基本的人権を尊重すること
・応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。
そのため、発言や経歴を否定したり、貶めるような行為は圧迫面接だと言えるでしょう。
態度が悪い
これも対等かつ大人の立場である面接においては問題行為です。
そもそも初対面の人に対して悪態をつくことは人としてあるまじき行為ですし、怒鳴ったり机を叩いたりする行為であれば尚更です。
あからさまに態度が悪い場合は圧迫面接の可能性が高いと言えますし、もしくはその面接官個人の問題の可能性もあります。
いずれにせよ、悪態によって面接を受ける側がストレスを感じるのであれば、圧迫面接だと言えるでしょう。
面接は印象で9割決まるので、自身の態度にも注意しましょう。
詰問される
答えにつまったり、反応が遅れた際に、矢継ぎ早に質問を重ねたり、問い詰めたりすることも圧迫面接だと言えるでしょう。
面接においては答えるのが難しかったり、考える時間が必要だったり、自分でも答えが分からないという状況は往々にしてあるものです。
それにもかかわらず、問い詰めるような質問=詰問をすることは過剰もしくは異常だと言わざるを得ないでしょう。
ただし、一つの回答に対して深堀をするような質問を投げかけてくることはあり、それでストレスを感じてしまい、「これは圧迫面接だ」と早計な判断を下してしまうことはあるかもしれませんが、そこに関しては客観的に冷静な判断をすることが必要です。
転職エージェントを通じて応募をした企業であれば、圧迫面接を受ける可能性は低いでしょう。
それでも希望するのであれば
圧迫面接とはあくまで面接手法であり、またあくまで選考における一コマです。
そのように割り切ることができ、強く希望する企業なのであれば、内定を受けることは間違いではないでしょう。
この時代に圧迫面接を行う企業は考えものではありますが、必ずしも圧迫面接をする企業は全て悪いわけではありません。
その企業に入って叶えたい目標や目的があるのなら、そこに入社することもまた一つの選択肢となるでしょう。
圧迫面接を行う企業を辞退すべき理由
結果的に「転職に成功」すれば、それで良いのです。
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何をもって「転職に成功した」と言えるのか?転職成功の条件とは?
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